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今週のピックアップ銘柄

【今週のピックアップ銘柄】鹿島建設ー2025年12月1週ー

鹿島建設
けいちょ

AI国策(データセンター建設)の恩恵あり、建築・土木・海外事業の全てで強い総合力No1の最大手ゼネコン:鹿島建設

本記事で使用する株価指標は2025/12/3時点の値です

今週のピックアップ銘柄:鹿島建設(1812)

鹿島建設は、日本を代表する総合建設会社であり、国内外の大型プロジェクトを多数手がけてきたトップクラスのゼネコンです。超高層ビル・インフラ整備・再開発から、最先端の耐震技術・環境技術まで、幅広い分野で業界をリードしています。

鹿島建設の指標

セグメント構成は以下の通りです。海外事業で36.8%、建築、土木がそれに続く形でバランス良く分散されています。

鹿島建設のセグメント

海外については北米が23.6%と最も大きく他にはアジアなどがあります。

鹿島建設の注目点

業績が好調で株価も堅調に推移している鹿島建設ですが、その注目点について見ていきます。

AI国策でデータセンター建設の恩恵あり

いまデータセンターの建設需要はAI国策により大きく伸びています。以下に引用するIDCによるデータセンターの新設/増設投資の予測では、2027年に約1兆円となっています。そして2028年以降もさらに増加していく見込みです。

2025年からは約2.5倍という驚異的な数字です。つまり、データセンター建設の特需はこれから大きく伸びていくところだということになるので、中長期で恩恵が受けられると考えられます。

そして鹿島建設はデータセンター建設の先駆け企業として、一時は国内シェア5割を占めるほどでした。

もちろん、今でも実績とともに大型案件向けのトップクラスの技術とノウハウを有しています。

今後も大型案件受注の主役企業となることは間違いありません。

インフラ関連の国策にも関係、採算性の向上

国内ではインフラ整備や都市再開発など公共投資が堅調で、大型公共事業や再開発プロジェクトの受注が追い風になっています。多くの大手ゼネコンがこうした“国のインフラ需要”の恩恵を受けており、鹿島もその代表格です。

さらに、特に土木事業(大型インフラ工事など)が好調であることも要因として挙げられます。土木部門の売上高は、営業利益は大幅に伸びており、大型案件での安定受注と進捗が業績拡大に直結しています。

鹿島建設、4期連続の増収増益 売上高2兆9118億円、2025年3月期連結決算:産業動向 – BUILT

また、建設事業の採算改善(粗利率の改善)もあります。特に建築部門では、粗利率が2023年度の約 9.2%から2024年度は約 9.6%に上昇。これが利益率改善につながっています。

押しなべて受注案件が多数あるなか、採算性の取れる案件を選択的に受注することができる、ということが鹿島建設の強みです。これらが実際に営業利益をどんどん上昇させている事実に直結しています。

鹿島建設の株価指標

PER、PBR、配当利回りの水準

PERは過去5年間レンジで割高となっています。同業の大林組などと比べると少し高い点には留意です。それだけ期待値が高いと考えることができます。

鹿島建設のPER

一方、PBRも過去5年間レンジで割高です。

鹿島建設のPBR

そして配当利回りは直近で約2.3%となっています。株価が堅調に上昇した結果、過去年で見て最低水準です。過去には4%を超える水準もありましたので少し物足りない状況ではあります。

鹿島建設の配当利回り推移

株価推移

6カ月の日足チャートを見ると、非常に美しいチャートで上昇中です。

鹿島建設の日足チャート

そして5年の週足チャートでは2023年から大きく上昇しています。特に2025年に入ってからの上昇がかなり大きいことがわかります。13週線でキレイに反発しているため、押し目としては13週線がねらい目といえるでしょう。

鹿島建設の週足チャート

鹿島建設の株主還元と業績推移

株主還元の方針については、配当性向40%以上を目標としているもののDOEや累進配当の文言はありません。それでも近年の配当金の伸びは非常に優秀です。

鹿島建設の1株配当推移

さらに通期業績推移は2023年あたりから上がってきており、今期も過去最高益の見通しです。

鹿島建設の通期業績推移

建設業ですので自己資本比率は36%で問題ありません。自己資本は積み上げ傾向です。

鹿島建設の自己資本

今週のピックアップ銘柄:鹿島建設まとめ

鹿島建設は国内最大手のゼネコンで、データセンター建設のパイオニアとしてAI国策、インフラ国策の恩恵を長期にわたって受けられる銘柄です。

既にかなり株価が上昇していますが、先に述べたようにデータセンター特需は2029年までに2.5倍にもなる見込みです。

筆者は未保有ですが、13週線まで落ちてくるタイミングを狙って購入したいと考えています。およそ5,000円あたりを一つの目安としています。

なお、以前に紹介した同じ建設セクターのインフロニアHDは、押し目待ちに押し目なしで、購入できずに大きく上昇してしまいました。長期で上昇が望めるので、短期的な含み損が許容できるならさっさと買ってしまった方がよいかも知れません。

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以降は市場概況です。


市場概況:引き続きAIからバリューへの資金シフト

ここでは、主要な指標を見ながら今週を振り返りつつ、次週での立ち回り方、戦略を考えたていきます。

主要指標

日経平均リアルタイム
日経平均日足チャート

裁定買い残の推移

裁定買い残は、12/3の数字で3週連続の上昇。引き続き高めの水準であることは注意しながら注視したいところです。

裁定買い残

日経平均PERの推移

過去のPER推移からみた日経平均のPERレンジは総悲観で12倍、総楽観で16倍。

そして現在のPERは19倍からは陥落したもののいまだ18倍台で大幅高のままです。

なお、下の図の薄い緑のレンジがPER14~16倍となりますが、日経平均は最近の調整によりこのレンジに近づいていく推移となっています。

日経平均PER

日経平均PER

株価の上昇は来期のEPS成長を先取りしたものである、ということは毎週ふれています。つまり、赤線が下落する(株価が下がる)か、薄い緑レンジが上昇する(EPSが上がる、適正PERレンジを引き上げる)の何れかが起きます。

現状の推移は、EPS、株価とも横ばいの状況で乖離も横ばいです。

なお、今の価格帯だと下図のEPS成長率表中の赤いセルに位置しています。EPSは決算開始前の値に固定しています。今の株価だとEPSが10%成長してもPER17倍台ですので、次の決算でさらにEPS成長を実現する必要があります。

日経平均PER表

10%成長の場合でPER15倍で42,834円です。年末にかけて暴落クラスの下げが来たとしてもその辺りが約20%の下落になり、下限の目安と考えています。

騰落レシオ

騰落レシオ

今週も良い決算を出した銘柄を中心に個別の物色が続いています。先週に続いてTOPIXが強い展開となっており、最高値を更新しています。騰落レシオについては、週末に下げたこともあって過熱感はありません。

ちなみに、筆者は「25日の騰落レシオが90を下回る水準で買う」、という単純なルールだけでもかなり勝率が上がると考えています。

銘柄の選別は大事になりますが、上値余地のある現物はガチホ継続です。

空売り比率

空売り比率

先週とは打って変わって今週は40を超える日が多くなっています。売り方が優勢になっています。

投資主体別 売買状況

投資主体別売買状況

2週連続で海外勢が売り越しています。証券自己と信託銀行の買い支えが大きかったようです。また、事業法人は順当に買いを継続しています。個人は売り越しています。今週の状況は来週出ますが、おそらく海外勢がまた買い越しているものと考えられます。

市場概況まとめ

日経平均のPERは過去レンジ(12〜16倍)の上限を超えています。このままEPSの伸びが伴わないまま株価が上昇すると、PERが16倍を超える危険な兆候となります。

つまり現在の株価水準は「かなり割高」と評価されるので、今後の企業収益の伸びが伴うかどうかが最大の焦点


図表などは世界の株価と日経平均先物 リアルタイム チャート、およびマネックス証券の銘柄スカウターを引用しています。

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駆け出しブロガー
株式投資、暗号資産投資、脱毛などの美容やエンタメが趣味。
3年で金融資産2000万円に到達。
資産形成はまだまだ道半ばなので、皆さんと一緒に勉強しながら有益な情報発信に努めます!
ブログとFXを勉強中。

・株式投資は日本高配当株
・暗号資産はBTC, XRP
・脱毛はメンズエミナルで医療レーザー脱毛、メンズTBCでニードル脱毛を経験。

脱毛でなぜ2つ通うのか、体験はどうだったかなども記事にしていきます。

その他にも幅広いジャンルの最新情報を皆様にお届けすべく、日々奮闘中です。

大阪生まれ大阪育ち。現在は兵庫県在住のサラリーマン、二児の父。
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