【今週のピックアップ銘柄】住友不動産ー2026年1月2週ー
インフレ下での資産価値に注目が集まる上昇期待株:住友不動産
今週のピックアップ銘柄:住友不動産(8830)
住友不動産は総合不動産の最大手クラスの企業です。東京を中心にオフィスビルやマンション開発を行っています。

セグメント構成は以下の通りです。不動産賃貸で46.3%、不動産販売が24.1%です。

なお、海外売上高の情報はないため、基本的に日本国内での事業のみとなります。
住友不動産の注目点
直近で株価が好調な住友不動産ですが、その注目点について見ていきます。
実質的な資産価値で超割安
住友不動産は東京都心にオフィスビルや賃貸ビルを多く保有しています。そしてこれらの資産価値はインフレによって大きく上昇しています。
つまり、不動産による含み益をしこたま抱えているということです。したがって、みかけ上のPBRの数字よりはるかに割安であると考えられています。一部の試算では0.8倍以下という数字も見かけます。
ただ、金利上昇とインフレのどちらが不動産業への影響が大きいのかを見極める必要もあります。借り入れコストが上がるため金利上昇は不動産業に不利との見方が一般的です。
しかし、住友不動産については上場有価証券売却スキームとやらを導入することで金利上昇分をカバーできると発表しています。営業キャッシュフローを見ても潤沢にありますので、問題ないといえるでしょう。
2025年11月発表の新経営方針
住友不動産は2025年11月に新しい経営方針を発表しました。その中では、「今後も堅持する2つの方針」と「しなやかに適応する4つの新方針」が記載されています。
「今後も堅持する2つの方針」として示されたのは次の2点です。
要するに、高稼働かつ高単価で利益の源泉となるプライム資産を開発し、継続して保有していく方針を明確にしました。これまでの常識では売却しないのであれば利益に計上されないので、株価に反映されずらい側面がありました。しかし、「売却益による一過性の利益ではなく、継続保有することで安定した利益を出していくよ」、という説明になります。
さらに「しなやかに適応する4つの新方針」として示されたのは次の4点です。
こちらでは、成長投資と株主還元の両立を目指していく方針が明確になりました。株主還元方針としては8円を下限とした累進配当で、配当性向を35%まで上げていくことが示されています。
エリオット・インベストメント・マネジメントの動き
アクティビストとして有名なエリオットが住友不動産の株を買い集めています。企業価値向上を求めていくということも打ち出されています。こういった動きに反応して新経営方針を発表したという側面もあるでしょう。
住友不動産の株価指標
PER、PBR、配当利回りの水準
PERは17.5倍、PBR1.58倍と特に東証平均と比べて特に割安ということはありません。過去5年レンジで見ると割高な位置にありますが、先に述べたようにPBRについては不動産価値がインフレにより増大しています。したがって、数字よりはるかに割安であると考えられます。


そして配当利回りは直近で約0.9%となっています。平均で約1.2%なので、低い水準ということができます。

株価推移
6カ月の日足チャートを見ると、非常に美しい右肩上がりとなっています。25日移動平均線が支えとなっています。また、11月に窓開けギャップアップがありますが、これが新経営方針の発表タイミングとなります。市場に好感されていることがうかがえます。

そして5年の週足チャートでは2023年から大きな上昇を見せています。

住友不動産の株主還元と業績推移
株主還元の方針については先の新経営方針にて示されたように、8円を下限とした累進配当で、配当性向 35 %を目処に利益成長に応じた持続的な増配を掲げています。業績は安定して好調を維持しているので、13期連続増配と非常に優秀です。利回りの面で少し物足りないので、大胆な増配にも期待したいところです。

さらに通期業績推移を引用しますが、営業利益で美しい右肩上がりとなっています。

自己資本比率は不動産業なので低めですが約32%で業界標準、自己資本は積み上げ傾向です。

今週のピックアップ銘柄:住友不動産まとめ
住友不動産は実質的な資産価値で見積もるとPBRで0.7倍を下回る割安株。プライム資産での含み益が大きく積みあがっています。8円を下限とした累進配当で13期連続増配中、配当性向35%。さらなる増配にも期待がかかります。
なお、筆者は未保有ですが、日足レベルで短期的に下げた局面ですぐリバウンドする傾向がみられます。そういった局面を狙ってinするためにウォッチしています。
以降は市場概況です。
市場概況:乱高下も堅調推移で株価上昇優勢
ここでは、主要な指標を見ながら今週を振り返りつつ、次週での立ち回り方、戦略を考えたていきます。
主要指標


日経平均PERの推移
過去のPER推移からみた日経平均のPERレンジは総悲観で12倍、総楽観で16倍。
そして現在のPERは直近で20倍に迫る大幅高です。
なお、下の図の薄い緑のレンジがPER14~16倍となりますが、日経平均は横ばい推移のためこのレンジと乖離を保ったままとなっています。


株価の上昇は来期のEPS成長を先取りしたものである、ということは毎週ふれています。つまり、赤線が下落する(株価が下がる)か、薄い緑レンジが上昇する(EPSが上がる、適正PERレンジを引き上げる)の何れかが起きます。
現状の推移は、EPS、株価とも大局では横ばいの状況で乖離も横ばいです。なかなかEPSは上がっていかないので、本決算が大注目となります。
なお、今の価格帯だと下図のEPS成長率表中の赤いセルに位置しています。EPSは決算開始前の値に固定しています。今の株価だとEPSが10%成長してもPER17倍台ですので、次の決算でさらにEPS成長を実現する必要があります。

10%成長の場合でPER15倍で42,834円です。暴落クラスの下げが来たとしてもその辺りが約20%の下落になり、下限の目安と考えています。
騰落レシオ

今週は日経平均もTOPIXも両方とも強い展開となっており、最高値を更新しています。騰落レシオはかなり過熱気味です。
ちなみに、筆者は「25日の騰落レシオが90を下回る水準で買う」、という単純なルールだけでもかなり勝率が上がると考えています。
銘柄の選別は大事になりますが、上値余地のある現物はガチホ継続です。
投資主体別 売買状況

年末の週の値が開示されていますが、古いのであまり参考にはしません。
市場概況まとめ
日経平均のPERは過去レンジ(12〜16倍)の上限を超えています。このままEPSの伸びが伴わないまま株価が上昇すると、PERが16倍を超える危険な兆候となります。
つまり現在の株価水準は「かなり割高」と評価されるので、今後の企業収益の伸びが伴うかどうかが最大の焦点。




