ゴールド価格に季節性はある?投資家が知っておくべきサイクルと傾向
- ゴールドの価格に見られる季節的な傾向(1月・9月が強い)
- インド・中国の需要や年末要因など、価格が動きやすい背景
- 季節性を投資戦略に活かす方法と注意点
筆者は季節性を利用して今年7/1に下げたタイミングで純金ETF(1540)を買い増しました。そして9月に入ってから急上昇、この間だけのパフォーマンスで既に30%を超えています。

ゴールドの価格に「季節性」は存在するのか?
株式や商品市場には「アノマリー」と呼ばれる季節的な傾向が存在します。
ゴールドも例外ではなく、過去のデータを分析すると特定の月に価格が上がりやすい傾向が確認されています。
短期の値動きを予測するのは難しいですが、長期的な投資の補助指標として「季節性」を知っておくことは有利に働きます。
実際、ゴールドはインフレヘッジ・安全資産としての特性から、世界の需要やイベントに応じて一定のサイクルを描くことが多いことが知られています。
過去データから見るゴールドの月別リターン
米国の金先物やETFデータをもとにすると、以下のようなパターンが見られます。
- 9月にもっとも上昇しやすい
- 1月も堅調なパフォーマンス
- 3月・6月は軟調な傾向
これは偶然ではなく、世界の需要要因や投資マネーの流れが背景にあります。以下に各月の月別平均リターンを表にまとめます。
実データに基づくゴールド月別平均リターン(過去20〜30年程度・ドル建て)
ゴールド月別平均リターン(過去実績)
以下は XAU/USD(金スポット・ドル建て)を対象とした過去実績を基に、月別リターンを平均化したものです。あくまで傾向把握用としてご参照ください。
| 月 | 平均月次リターン(%) |
|---|---|
| 1月 | +1.2 % |
| 2月 | +0.4 % |
| 3月 | –0.5 % |
| 4月 | +0.8 % |
| 5月 | –0.3 % |
| 6月 | –0.6 % |
| 7月 | +0.1 % |
| 8月 | +1.0 % |
| 9月 | +1.3 % |
| 10月 | +0.5 % |
| 11月 | +0.6 % |
| 12月 | +0.9 % |
★ 背景色で強調された月(例:1, 8, 9月など)は特に平均リターンが高い月です。
→ 特に1月、9月は平均的にプラス傾向が強いことがわかります。
ゴールド価格が動きやすい要因(需要・イベント要因)
イベント要因としては次のような項目が挙げられます。
- インドの結婚シーズン:秋〜冬にかけて金装飾品需要が増え、国際市場に影響を与える。
- 中国の旧正月需要:春節に金を贈る文化があり、1月前後に需要が集中する。
- 年末の安全資産需要:株式市場が荒れる時期にはリスク回避としてゴールドが買われやすい。
- 地政学リスクや金融政策:特に秋口にはイベントリスクが意識されやすく、金が選好される傾向がある。
ただし、近年のゴールド価格の高騰を受けて、イベント要因のゴールドの買い需要は段々と細ってきているという情報もあります。そして、近年は中国を始めとする中央銀行の買い動向の影響が大きいため注目が集まっています。

季節性を投資に活かす方法
長期投資+ドルコスト平均法
季節性を意識しつつ、毎月一定額を積み立てることで価格変動リスクを抑えられます。特に「下がりやすい月」に買い増しできれば平均取得単価を引き下げる効果も期待できます。
季節性を狙った短期投資
例えば「6月~7月後半に買い増し、年明けに売却」といった戦略も、過去の統計に基づけば一案となります。ただし、過信は禁物で、最新の金利動向や為替の動きを併せて確認することが重要です。
今年の筆者の場合については冒頭で触れた通りで、7/1に購入した純金ETF(1540)が9/30現在までに30%以上の上昇です。
ゴールド投資の注意点
ゴールドは「安全資産」と呼ばれる一方で、必ずしも値動きが安定しているわけではありません。
特に日本の投資家にとっては、ドル建てのゴールド価格だけでなく為替相場や世界経済の動きにも左右されます。投資する際には以下の点に注意が必要です。
為替の影響
日本でゴールドを購入する場合、多くは円建て価格となります。ドル建てでゴールド価格が上昇しても、円高が進めば円建ての評価額は伸び悩む可能性があります。
逆に、円安が進行すればゴールド価格が横ばいでもリターンが得られることがあります。つまり、ゴールドそのものの需給と為替の二重の影響を受けることを意識する必要があります。
インフレや金利の動向
ゴールドはインフレヘッジ資産として買われやすい一方で、金利上昇局面では相対的に魅力が低下します。
なぜなら、ゴールドは配当や利息を生まない資産だからです。米国FRBの利上げ局面ではゴールド価格が抑えられるケースが多く、金融政策を無視して投資するのは危険です。
地政学リスク
戦争、テロ、パンデミック、金融危機といった予測不能なイベントは、短期的にゴールド価格を大きく動かす要因となります。
安全資産として買われて急騰することもあれば、他の資産売却による資金確保で一時的に売られることもあります。「地政学リスク=必ず上がる」ではない点に注意しましょう。
直近ではウクライナ戦争の終結が話題になることもあります。終結した場合は短期的にはゴールド価格は下落するでしょう。
季節性の過信
本記事で紹介したようにゴールドには一定の季節性がありますが、これは過去の平均値であって未来を保証するものではありません。
例えば、利上げ局面や急激なドル高局面では、統計的な季節性を上書きする形で価格が動くことも珍しくありません。季節性はあくまで投資判断の参考材料のひとつという位置づけです。
以上の点を踏まえれば、ゴールド投資は「リスクをゼロにする資産」ではなく、あくまでポートフォリオの一部として組み込むのが賢明です。
まとめ:季節性を知って投資戦略に活かす
ゴールドには、インド・中国の需要や年末要因などから1月・9月が強いという季節性が見られます。
長期投資では積立をベースにしながら、短期的に有利な時期を知っておくことで投資効率を高められる可能性があります。
ただし、マーケットは常に変化しており、FRBの金利政策や為替、地政学リスクによって傾向が覆される年もあります。
したがって、季節性は投資判断の補助ツールと位置づけ、最新の経済環境と組み合わせて活用しましょう。


