ブラックロックが大量保有した株:サンリオ、丸井グループ

- ブラックロックが大量保有している日本企業の具体的な銘柄とその特徴
- 世界最大の資産運用会社が日本株に注目する背景と投資戦略
- 投資家が注目すべき企業の共通点や今後の市場動向のヒント
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さて、世界最大級の資産運用会社「ブラックロック」が日本企業の株を大量保有している事実は、投資家にとって見逃せない重要なシグナルです。
その投資スタンスは、他の短期的な利益を狙うアクティビストとは一線を画し、長期的な成長を見込んだ買いだからです。
そのため、ブラックロックの大量保有報告は、企業の長期的な成長性や市場評価を読み解くヒントになる、というわけです。
ブラックロックとは?
ブラックロック(BlackRock)は、米国ニューヨークに本社を構える世界最大級の資産運用会社で、運用資産残高は10兆ドルを超えます。
そしてETFブランド「iShares」やESG投資の先駆者としても知られ、グローバルな影響力を持つ存在です。
また、日本市場にも積極的に参入しており、数百社にわたる株式を保有。
その投資スタンスは「長期的・分散的・受動的」であり、企業の財務健全性や持続可能な成長戦略を重視します。
🔍ブラックロックと他のアクティビストとの違い
- 短期志向のアクティビストは、経営陣への圧力や株主提案を通じて企業価値の再評価を促す
- 一方、ブラックロックは経営介入よりも対話(エンゲージメント)を重視し、企業の持続可能性やガバナンス改善を支援
- 保有期間も長期にわたり、頻繁な売買を行わないため、株価の安定性にも寄与する
- ESGや気候変動対応など、社会的責任を重視した投資方針が特徴的
このように、ブラックロックの大量保有は「企業への信頼の証」であり、短期的な利益追求ではなく、長期的な価値創造を見据えた投資行動といえます。
大量保有とは何か?
「大量保有報告書」とは、投資家がある企業の株式を5%以上取得した際に金融庁へ提出する法定書類です。
これにより、機関投資家の動向が一般にも公開され、株式市場の透明性が保たれます。
このため、ブラックロックのようなグローバル機関が提出する大量保有報告は、企業への信頼や評価の現れと捉えることができます。
特に長期投資を志向する個人投資家にとっては、銘柄選定の参考情報として有用です。
📂 EDINETで報告書を確認する方法

- EDINET公式サイト:https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/
- 検索画面で「提出者名」に「ブラックロック」または「BlackRock」と入力
- 「書類種別」で「大量保有報告書」を選択
- 提出日や銘柄コードで絞り込みも可能
この方法を使えば、ブラックロックがどの企業にどれだけ投資しているか、最新の保有状況を直接確認できます。
📊 ブラックロックによる大量保有銘柄一覧
注目銘柄を赤字で記載しました。
銘柄コード | 企業名 | 業種 | 保有比率 | 備考 |
---|---|---|---|---|
4452 | 花王 | 化学・消費財 | 8.35% | 追加 |
5020 | ENEOSホールディングス | エネルギー | 8.75% | 追加 |
6326 | クボタ | 機械・農業機器 | 7.17% | 追加 |
6506 | 安川電機 | 産業用ロボット | 5.05% | 新規 |
6703 | OKI(沖電気工業) | 通信機器 | 5.04% | 新規 |
8136 | サンリオ | キャラクター事業 | 5.05% | 追加 |
8252 | 丸井グループ | 小売・金融 | 5.10% | 新規 |
8267 | イオン | 小売 | 6.27% | 追加 |
8750 | 第一生命ホールディングス | 保険 | 7.11% | 追加 |
8804 | 東京建物 | 不動産 | 7.28% | 追加 |
※報告内容は提出時点の保有状況であり、現在の保有比率とは異なる可能性があります。
🎯 注目銘柄の深掘り:サンリオ、丸井グループ
本記事では、ブラックロックが大量保有する中でも特に注目すべき「サンリオ」と「丸井グループ」を深掘りしたいと思います。
両社は異なる業種ながら、ブランド力と社会的価値を軸に成長を続けており、ブラックロックの長期投資スタンスと合致しています。
🐰 サンリオ(8136)
ここは何といっても近年の業績の伸びがえげつないことが特徴です。

さらに、今後もアジア市場での成長余地が残されていることがポイントです。
ブランド資産の安定性、グローバル市場での成長余地、そして社会的インパクトの高さが長期保有に適する
- 事業内容:
- ハローキティなどのキャラクターを活用したライセンス事業、テーマパーク運営、グッズ販売
- 注目ポイント:
- 世界的なキャラクターブランドを保有し、IP(知的財産)ビジネスに強み
- ESGの観点からも、子ども向け教育・福祉活動に積極的
- 海外展開が加速しており、特にアジア・中国市場での新規顧客獲得が好調
- 2025年3月期第1四半期決算では、海外ライセンス収入の伸びが業績を牽引
- 国内では大阪・関西万博とのコラボレーション企画が奏功し、社会的認知とブランド価値が向上
🏦 丸井グループ(8252)
丸井グループの注目ポイントは近年の大増配、連続増配による株主還元姿勢です。

事業構造の転換による収益安定性、FinTech分野での成長性、そして継続的な株主還元が長期的価値創造を見込めると評価
- 事業内容:
- 小売(エポスカード中心のクレジット事業)、フィンテック、サステナブル不動産開発
- 注目ポイント:
- 小売業から賃料収入中心のビジネスモデルへ転換し、固定収益の安定性が向上
- FinTech事業(エポスカード、スマホ決済、BNPLなど)が好調で、若年層を中心に顧客基盤を拡大
- 不動産資産の活用による安定収益と、金融事業の成長性を両立
- 13期連続増配がほぼ確定しており、株主還元姿勢の一貫性が際立つ
両社とも、単なる業績だけでなく「社会との関わり方」や「持続可能性」が評価できます。
また、ブラックロックのESG重視の投資哲学とも強く共鳴しています。
やはり、個人投資家にとっても、こうした企業の成長ストーリーを読み解くことは銘柄選定の質を高めるヒントになります。
🧠 ブラックロックの選定理由と投資家への示唆
- 安定したキャッシュフローと高い収益性
- ESG(環境・社会・ガバナンス)対応への積極性
- 国内外での成長戦略が明確
- 業種の分散(消費財、エネルギー、製造業、小売、保険、不動産など)
これらの要素は、長期的な資産形成を目指すブラックロックの投資哲学と一致しています。
そして、頻繁な売買を避け、企業との対話(エンゲージメント)を重視する姿勢は、短期的な値動きに左右されない安定志向の投資家にとって大きな参考になります。
個人投資家がこの情報を活用するには:
- 大量保有報告書を定期的にチェックし、注目銘柄を発見する
- ブラックロックの投資傾向から、成長性や安定性のある企業を見極める
- ESGやグローバル展開に注力する企業に注目し、長期的な視点でポートフォリオを構築する
このように、ブラックロックのような長期投資家の動向を把握することは、個人投資家にとっても有益です。
企業の本質的価値に注目する姿勢は、安定した資産形成のヒントになるといえるでしょう。