カリスマ増配株投資家ヘムさんの投資手法

- 配当持続力と成長余力を評価する「7つの基準」
- 6つの「テーマ別ポートフォリオ」による分散
- 割安性・収益性・安全性を確認する「8項目のスクリーニング条件」
- フジマック(5965)を実例として紹介。
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この記事では、カリスマ増配株投資家・ヘムさんの著書:
『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』
をもとに、彼の投資哲学と実践手法をわかりやすく解説します。
この書籍は2025年8月現在、Amazonで★4.5(150件以上の評価)という高評価を獲得しています。
レビューでは、「再現性の高い投資法」「暴落時の心構え」「初心者にもわかりやすい構成」などと絶賛されています。
まさに、“勝つべくして勝つ”投資の教科書として、多くの個人投資家から支持を集めています。
なお、巻末にはヘムさんのポートフォリオ銘柄も公開されていますので、高配当株投資家であれば手に取って損はない書籍です。
資産3.7億円、年間配当金1,075万円を築き上げたヘムさん。
その27年にわたる投資経験を持つ彼の思考と戦略は、増配株投資を志す人にとって極めて参考になります。
ヘムさんの経歴と投資実績
ヘムさんは京都大学卒業後、総合商社に勤務。30歳で脱サラし、株式投資に専念しました。
そして投資歴は27年に及び、これまでに株式で約2億円の利益を実現。
直近7年間ではTOPIXに対して+73.36%という驚異的なパフォーマンスを記録しています。
また、彼の投資スタイルは、伝説的な個人投資家である清原達郎氏の手法を参考にしつつ、独自の理論と経験に基づいて構築されています。
ヘムさんの投資スタイル
ヘムさんの投資は、企業の本質的価値を見極めることから始まります。
それは、適正価格よりも安く売られている株を見つけ、長期的に増配が期待できる銘柄を選定することです。
そして暴落時には“バーゲンセール”と捉え、総資産の3割を待機資金として活用し、計画的に買い増します。
この逆張り型の戦略は、感情に流されず冷静に資産を積み上げるための重要な柱となっています。
カリスマ投資家がなぜ日本株に注目するのか?
ヘムさんが日本株に注目する理由は、以下の通りです:
- 上場企業の利益・手元資金・株価が急成長している
- 株主還元(配当・自社株買い)が積極的に行われている
- デフレからインフレへの転換期にある
- 給料はそれほど上がっていないが、投資家に富が集中している(ピケティの法則:r > g)
このような環境下では、資本を持つ者がより有利になるため、増配株投資は非常に有効な戦略となります。
ヘムさんが推す「小型割安株」の魅力
ヘムさんは、時価総額1,000億円未満の小型株に注目しています。
彼がなぜ小型株に着目するのか?その理由は以下の通りです。
- プロの投資家が参入しにくく、個人投資家にチャンスがある
- 約3,000社の中に“お宝銘柄”が眠っている
- 小型株は市場平均や大型株よりも高いパフォーマンスを示してきた(過去44年)
- 東証のPBR是正方針も、小型株にとって追い風となる
このように、小型株は情報が少ない分、割安に放置されていることが多く、分析力のある投資家にとっては絶好の狙い目です。
🔍 ヘムさんの銘柄選定7つの基準
ヘムさんが銘柄を選ぶ際に最も重視するのは、企業の配当持続力と成長余力を多角的に評価する「7つの基準」です。
これらを組み合わせることで、安定した配当収入を長期にわたって獲得できる銘柄を見極めます。
基準 | 内容 |
---|---|
① 配当性向が低い | 配当利回り ≥ 配当性向 ÷ 10 |
② 増配傾向 | 10期連続増配など長期的増配実績 |
③ 配当政策 | 累進配当やDOEを採用 |
④ 業績安定 | リーマン/コロナ時も安定右肩上がり |
⑤ キャッシュリッチ | ネットキャッシュ比率高い(平均9.1%) |
⑥ 割安性 | 低PER・低配当性向(平均34%以下) |
⑦ 成長期待 | 競争優位性・参入障壁・成長余地あり |
これらの基準を満たす企業は、配当を無理なく増やし続けられる余力を持ち、株価下落局面でも耐久力を発揮します。
このように、ヘムさんはまずこの7項目で候補銘柄を絞り込み、さらに「安全域」などの独自指標で最終判断を下します。安全域については後述します。
🧺 ヘムさんの6つのテーマ別ポートフォリオ
さらに、ヘムさんは単一の銘柄選びにとどまらず、「投資テーマごとの分散」も重視します。
テーマ別に異なるリスク・リターン特性を理解したうえで組み合わせることで、市場変動に強いバランスを実現するという考え方です。
- 連続増配宣言株
- DOE採用銘柄
- 配当貴族(日経連続増配株指数に採用されている70銘柄)
- 優待株(個人投資家に人気でバリュートラップにかかりにくい)
- 不人気株(地銀・放送局・優待廃止など、割安放置されている銘柄)
- 小型割安ファンド「Jペッパー」(PBR0.8倍以下、PER10倍以下)
各テーマには成長性重視、安定配当重視、割安放置発掘など異なる狙いがあります。
こうした多様なポジションを持つことで、どの局面でもどこかがアウトパフォームし、ポートフォリオ全体の守備力と攻めの両立を図ります。
🧮 銘柄選定時の基本スクリーニング条件(8項目)
実際に投資候補を抽出するには、以下の定量条件を用います。
ヘムさんの方法は明確に数字が示されているため、シンプルかつ再現性が高く、個人投資家でも手軽に実践可能です。
項目 | 基本 | Jペッパー | 連続増配宣言株 | DOE採用株 |
---|---|---|---|---|
PER | ≤12倍 | ≤10倍 | ≤13倍 | ≤13倍 |
PBR | ≤1.0倍 | ≤0.8倍 | ≤1.2倍 | ≤1.2倍 |
ROE | ≥8.0% | ≥5.0% | ≥5.0% | ≥6.0% |
配当利回り | ≥3.0% | ≥2.5% | ≥2.7% | ≥2.7% |
配当性向 | ≤40% | ≤40% | ≤45% | ≤45% |
安全域 | ≥2.0倍 | ≥2.0倍 | ≥1.8倍 | ≥1.8倍 |
時価総額 | ≤1,000億円 | ≤700億円 | ― | ― |
その他 | 自己資本積み上げ傾向 | 東証開示要請に未対応 | 累進配当宣言 | 自己資本積み上げ傾向 |
この8項目のフィルタを通すことで、割安性・成長性・収益性・安全性がバランスよく揃った銘柄リストを作成できます。
ここで「安全域」というヘムさんの独自指標がでてきていますので、次に安全域について説明します。
🛡️ ヘムさん独自の「安全域」指標とは?
ヘムさんは、株価の割安度を数値で把握するために「安全域」という独自指標を用いています。
- 簡易理論株価 = BPS + (EPS × 10)
- 安全域 = 簡易理論株価 ÷ 現在株価
このように、本来であれば理論株価は非常に複雑な計算が必要ですが、プロでもない私たちでも簡単に算出できるような指標になっています。
この安全域の数値が高いほど、理論価値に対して株価が割安であることを示します。目安は1.5〜2.0倍以上とされています。
🏆 ヘムさんの投資手法ー実例紹介:フジマック(5965)
それでは、ヘムさんの投資手法を真似てスクリーニングして見つけた割安有望株の実例を紹介します。
株価指標
フジマックの基本指標は次の通りで、PER、PBR、ROE、配当利回り、時価総額の各指標は合格です。

また、次に示すYahooファイナンスの情報から安全域を求めると約3.6倍にもなり、非常に割安といえます。
簡易理論株価 = BPS + (EPS × 10) = 1861 + (175.49 × 10) ≒ 3600
安全域 = 3600/1004 ≒ 3.6

配当利回り、配当性向の推移
配当推移を確認すると、2010年3月期以降、コロナショックを含めて減配なし。配当性向が大幅に増えてでも減配しない姿勢が評価できます。
配当利回りは現行株価(約1,004円)ベースで4.00%と高水準、配当性向も低い水準です。

配当政策とDOE採用状況、増配実績
現時点ではDOEや累進配当を正式に採用していませんが、「安定配当+増配志向」のスタンスです。
また、2024年に大幅増配しており、還元姿勢は強まっています。
フジマックのまとめ
フジマック(5965)はチャートの現在値は高くも低くもない位置ですが、ヘムさん流投資手法の全てを満たしており、増配株戦略を実践する第一候補です。

🧾カリスマ投資家ヘムさんの投資手法まとめ
ヘムさんの投資手法は、単なる「高配当狙い」ではなく、企業の本質的価値・財務健全性・増配余力を見極めたうえで、長期的な資産形成を目指す戦略です。
特に注目すべきポイントは以下の通りです。
- 増配株を軸にした長期投資で、年間1,000万円超の配当収入を実現
- 暴落時に備えた待機資金と、逆張りの買い増し戦略
- 小型割安株という“個人投資家の聖域”を活かした銘柄選定
- 明確なスクリーニング基準と独自の「安全域」指標による割安度の可視化
- 累進配当やDOEなど、減配リスクを抑えた配当政策への着目
インフレ時代において、労働収入だけでは資産形成が難しくなる中、ヘムさんのような「増配株×割安投資」のスタイルは、個人投資家にとって非常に有効な選択肢です。

まずは、彼のスクリーニング基準に沿って1銘柄を選び、実際に分析してみることから始めてみてはいかがでしょうか?
“配当は未来の自分への仕送り”——そんな視点で、投資を再構築してみるのも面白いかもしれません。
今後もヘムさんの投資スタイルを参考にした増配株のスクリーニング結果を発信していきますので是非参考にしてください。

