【今週のピックアップ銘柄】富士通ー2025年11月1週ー
世界有数のDX総合企業でSIやクラウドといったITインフラ関連に幅広く関与。防衛、AIデータセンター、サイバーセキュリティ、量子コンピューターなどの先端技術にも携わる国策企業:富士通
今週のピックアップ銘柄:富士通(6702)
富士通は情報処理分野のパイオニアとして世界的に有名な企業です。日本のコンピューター史を牽引してきた企業としても広く知られています。そして官公庁・公共企業・金融・製造等の大規模システムに多くの実績があることも特徴です。
富士通の有するキーテクノロジーはコンピューティングからネットワーク、さらにAIやセキュリティと多岐に渡ります。
富士通の注目点
近年、株価が好調の富士通ですが、その注目点について見ていきます。
NVIDIAとの戦略的協業
2025年10月3日に発表されたプレスリリースでは、富士通のCPUとNVIDIAのGPUを搭載したAIインフラを構築するとあります。ヘルスケア、製造、ロボティクスなどの領域に特化した産業向けのAIエージェントプラットフォームになるということです。
CEOのコメントにて、将来的には富士通の持つ量子コンピューティング技術をここに加えていくという展望も語られています。
やはり、富士通の有する高度なコンピューティング技術は、NVIDIAからも高く評価されているということになります。
そして、この動きに注目してか米ブラックロックも富士通の保有割合を増やしてきています。6.4%から7.4%に増加で、金額にしておよそ770億円ほどの買い増しとされています。
業績好調の背景
中計での進捗状況は良好で、このまま順調に進捗していく見込みが示されています。
業績好調の背景として、決算説明資料では全領域で力強く伸長、特にDX/モダナイゼーション商談を中心に拡大と説明されています。
モダナイゼーションとは、古いシステムを新しいシステムに刷新するDX需要です。特にファイナンスビジネスでのDX需要が伸びていることが資料からも窺えます。
なお、これに関係して富士通は2028年3月には銀行のATM端末の提供を終了すると宣言しています。そしてネット銀行向けのクラウド提供でDX化にシフトする、という狙いです。
富士通にはサイバーセキュリティの知見もあるため、金融関連でのDX支援にはうってつけとも言えます。
これに加えて採算性も改善されており、その流れが近年は続いているということです。
富士通の株価指標
PER、PBR、配当利回りの水準
PERは過去5年間レンジでやや割安性を示しています。これだけ多数の国策テーマに関わる銘柄であることを踏まえると今なら激安の水準と考えています。

一方、PBRは過去5年間レンジで割高です。

そして配当利回りは低く、直近で0.7%です。

株価推移
6カ月の日足チャートを見ると、10/3のNVIDIAとの協業発表後に出来高急増で窓を開けて急騰しています。

そして5年の週足チャートでも2024年からずっと上がっています。かなりキレイな上げ方です。

富士通の株主還元と業績推移
株主還元の方針については、配当と自社株買いを合わせた株主還元を充実させることを基本方針としています。
そして配当面では10期連続増配の予定です。配当利回りこそ高くないものの、着実に積み上げてくれるのは嬉しいです。

また、富士通は自社株買いに積極的ですので総還元性向はかなり高いと言えます。

さらに通期業績推移は営業利益でキレイに上がってきており、今期は過去最高益の見通しです。

また、自己資本比率は50%と合格点。自己資本も上昇傾向です。

今週のピックアップ銘柄:富士通まとめ
富士通はAIデータセンター、防衛、サイバーセキュリティ、量子コンピューティングといった多くの国策に絡むハイテク銘柄です。
しかし、PERはまだ17倍台ですので、これから数年かけて息の長い上昇が期待できます。
なお、配当利回りは低いものの自社株買いに積極的です。総じて株主還元には積極的ととらえられます。
筆者は11/5の日経平均急落時に購入しました。短期的にはまだ下げるかも知れませんが、中長期で見て上目線ですのでじっくりホールド予定です。
以降は市場概況です。
市場概況:決算発表で選別進む、AI関連に注目
ここでは、主要な指標を見ながら今週を振り返りつつ、次週での立ち回り方、戦略を考えたていきます。
主要指標(2025年11月7日時点)


裁定買い残の推移
裁定買い残は、10/31の数字でやや下がりました。高めの水準は継続です。

日経平均PERの推移
過去のPER推移からみた日経平均のPERレンジは総悲観で12倍、総楽観で16倍。
そして現在のPERはなんと20倍に迫る値で大幅高のままです。
また、注目の決算が本格的に始まっていますが、ここにきてEPSが切り上げ基調であることは良いことです。各社どこまでの内容が出るか楽しみです。
なお、下の図の薄い緑のレンジがPER14~16倍となりますが、このレンジをどんどん上に乖離していく推移が続いています。


これは来期のEPSの成長を先取りした株価上昇であることも毎週ふれています。つまり、赤線が下落する(株価が下がる)か、薄い緑レンジが上昇する(EPSが上がる、適正PERレンジを引き上げる)の何れかが起きます。
なお、今の価格帯だと下図のEPS成長率表中の赤いセルに位置しています。EPSは決算開始前の値に固定しています。今の株価だとEPSが10%成長してもPER18倍台ですので、さらなるEPS成長を実現する必要があります。

10%成長の場合でPER15倍で42,834円です。年末にかけて暴落クラスの下げが来たとしてもその辺りが約20%の下落になり、下限の目安と考えています。
騰落レシオ

今週の相場はそれほど良い雰囲気ではありませんでしたが、以外にも騰落レシオは少し過熱気味になっています。短期的にはAI銘柄から他の銘柄に資金シフトが起きた様子です。ただ、これが続くかどうかは分かりません。
ちなみに、筆者は「25日の騰落レシオが90を下回る水準で買う」、という単純なルールだけでもかなり勝率が上がると考えています。
いまの相場では、上昇し続ける限りは保有中の現物を大事にガチホで利益を伸ばす戦略は継続です。
空売り比率

40倍を超える日が何日か出ており、売り方が優勢に傾いています。しかし、ここから一気に買われていくというのが最近パターンです。果たして来週はどうか、この後の動向にも注目です。
投資主体別 売買状況

先週までに海外勢の買い越しが継続。さらに事業法人も順当に買いを継続しています。個人は売りを仕掛けており、機関に焼かれるパターンのようにも見えます。
市場概況まとめ
日経平均のPERは過去レンジ(12〜16倍)の上限を超えています。このままEPSの伸びが伴わないまま株価が上昇すると、PERが16倍を超える危険な兆候となります。
つまり現在の株価水準は「かなり割高」と評価されるので、今後の企業収益の伸びが伴うかどうかが最大の焦点。







