【今週のピックアップ銘柄】フィード・ワンー2025年10月3週ー
PER7.8倍、PBR0.72倍でかなりの割安、累進配当&DOE3%で配当利回り4%の食料品銘柄:フィード・ワン
筆者は直近でパフォーマンスの冴えないDM三井製糖を利確しました。そしてその代わりになる銘柄を探していました。
なお、筆者のポートフォリオはシクリカルな外需銘柄が多いので、代替銘柄にはできれば食料品でディフェンシブな銘柄を考えています。
さらに配当利回り4%以上、円高メリット、内需、株価上昇傾向といった特徴を求めています。
同じような銘柄をお探しの方がいれば参考になるかも知れません。
候補として最後まで残ったのが、わらべや日洋、ミヨシ油脂、フィード・ワンの3銘柄。
わらべや日洋については、目をつけたことは良かったのですが購入する前に決算発表でGUしてしまったので外しました😁しばらく下がってこないと予想します。
さらにミヨシ油脂も良い銘柄なのですが、記念配当の剥落が無いとは言い切れないと考えて保留に。
というわけで、今回はフィード・ワンを最有力候補として取りあげたいと思います。
今週のピックアップ銘柄:フィード・ワン(2060)
フィード・ワンは三井物産系の飼料メーカーで、畜産飼料、養殖用の水産飼料などを手がけています。飼料メーカーとしては全農に次ぐ国内第2位で、豚用飼料は国内トップです。
主に 飼料製造・販売 を中核とする企業ですが、それだけでなく、畜水産物の生産・加工・販売など川上から川下まで幅広いバリューチェーンを手がけています。

また、東南アジア(ベトナム等)やインドなど、飼料・水産分野での事業展開に着手しており、国内で培った技術・ノウハウを活かした国際展開を強化しています。
フィード・ワンの注目点
それではフィード・ワンの注目点について見ていきます。
配当政策で累進配当を宣言
高配当株投資家としては嬉しい累進配当を宣言しています。これについては後ほど株主還元のセクションにて説明します。
PER、PBRの水準
フィード・ワンの株価指標はかなりの割安性を示しています。PERは7.8倍と、過去2年レンジで割安、過去5年レンジで最安付近です。

なお、同業の中部飼料と比較しても割安です。(10/16時点)
| 会社 | コード | PER(予、倍) | PBR(倍) | PER差(割安率) | PBR差(割安率) |
|---|---|---|---|---|---|
| フィード・ワン | 2060 | 7.8 | 0.72 | — | — |
| 中部飼料 | 2053 | 12.0 | 0.72 | 35.0% 安い | 同水準 |
そしてPBRは1倍を割れており、東証からの改善要請圧力にさらされています。さらなる株価上昇を目指す必要があるので、株価対策の施策に期待できます。
また、ROEは10%と、東証平均水準より高く、中部飼料の5%台よりかなり高いです。
株価推移
5年の週足チャートを引用します。
じぐざぐはあれど着実に高値を更新するいいチャートです。現在は少し調整中で週足移動平均線にタッチしており、この辺りで下げ止まればちょうどよい頃合いと考えています。

10年後の目指す姿
中計では2033年までをEBITDAを現在の109億円から160億円以上を目標としています。販売数量も同等の上昇を掲げています。少し高めの、しかし堅実で実現可能な目標と考えられます。
フィード・ワンの株主還元と業績推移
株主還元の方針を従来の配当性向から累進配当に変更しました。DOE3%も明記されており、配当利回りは約4%です。
累進配当&DOEの宣言で安心感があり、減配リスクは非常に低いです。
今期は記念配当として5円が乗っている点には留意です。ただ、累進配当でこの先も増配が期待できるため、還元性は高く評価しています。

通期業績推移は直近で伸び悩んでいるものの、安定しています。また、財務面は自己資本比率44%で合格点、自己資本は積み上げ傾向です。


今週のピックアップ銘柄:フィード・ワンまとめ
フィード・ワンは食料品セクターでディフェンシブ銘柄ながら累進配当宣言で利回り4%の高配当株。PER7倍台、PBR1倍割れで同業他社と比べても割安感が高い状態です。
株価の大幅な上昇は期待しづらいかも知れませんが、増配を待ちながらゆっくりとした株価上昇を期待できます。反対に大きな下落は起きにくいでしょう。
筆者のように外需&円安メリット銘柄に偏ったポートフォリオの方がいれば、PFの一角におすすめできる銘柄です。
なお、筆者はまだ未保有ですが、直近の下落基調で良いところまで下げているので、少しずつ拾っていこうと考えています。
以降は市場概況です。
市場概況:高市トレードで爆上げも尻すぼみ
ここでは、主要な指標を見ながら今週を振り返りつつ、次週での立ち回り方、戦略を考えたていきます。
主要指標(2025年10月17日時点)


裁定買い残の推移
裁定買い残がかなり積みあがっています。今年大きく株価を下げた1月, 4月と同じ水準ですので留意しましょう。

日経平均PERの推移
過去のPER推移からみた日経平均のPERレンジは総悲観で12倍、総楽観で16倍。
そして現在のPERは18倍越えと大幅高のままです。
また、注目の決算シーズンが始まっています。ここにきてEPSが切り上げ基調であることは良いことです。ここでEPSが上昇できるかどうかが分水嶺です。
なお、下の図の薄い緑のレンジがPER14~16倍となりますが、このレンジを上回った推移が続いています。


これは来期のEPSの成長を先取りした株価上昇であることも毎週ふれています。つまり、赤線が下落する(株価が下がる)か、薄い緑レンジが上昇する(EPSが上がる、適正PERレンジを引き上げる)の何れかが起きます。
なお、今の価格帯だと下図の赤いセルにいます。今の株価ならEPSが10%成長すればPER16倍台に戻れます。

下がった場合の目安については、10%成長の場合でも15倍で42,834円なので、年末にかけて大きく下がった場合でもその辺りが下限の目安と考えています。
騰落レシオ

短期の設定値でかなり下げています。また、25日でも90に近く、過熱感は全くありません。今の水準なら買ってもよい水準です。
来週以降、さらに下げていく展開になれば長期の設定値も下がります。そうなれば絶好の買い場になります。
ちなみに、筆者は「25日の騰落レシオが90を下回る水準で買う」、という単純なルールだけでもかなり勝率が上がると考えています。
また、上昇し続ける限りはいま持っている現物を大事にガチホで利益を伸ばす戦略は継続です。
空売り比率

空売り比率は週末の下げで40倍に到達。一進一退ですが、やや売り方が優勢に傾いています。
投資主体別 売買状況

先週までに海外勢が大きく買い越し。個人は売り越しています。事業法人も買いを継続。
市場概況まとめ
日経平均のPERは過去レンジ(12〜16倍)の上限を超えている。このままEPSの伸びが伴わないまま株価が上昇すると、PERが16倍を超える危険な兆候となる。
つまり現在の株価水準は「かなり割高」と評価されるが、今後の企業収益の伸びが伴うかどうかが最大の焦点。




