【今週のピックアップ銘柄・答え合わせ】澁澤倉庫はその後どうなった?半年後に保有株をレビュー
2月に「今週のピックアップ銘柄」として取り上げた澁澤倉庫。

私自身も以前から保有している銘柄で、当時の記事では「もうすぐダブルバガー」「機を見てさらに買い増したい」と書いていました。
あれから約半年。
株価はどうなったのか。業績はどうなったのか。そして、私の見立ては当たっていたのか。
今回は、2月の記事を振り返りながら、2026年8月時点の澁澤倉庫をレビューしてみます。
2月に澁澤倉庫をピックアップした理由
2月の記事で私が注目していたのは、澁澤倉庫の「地味だけど強い」部分でした。
澁澤倉庫は倉庫、港湾、輸送などの物流事業に加えて、不動産事業も手掛けています。物流が主力でありながら、自社保有の不動産から得られる賃料収入が利益を下支えしているのが特徴です。
さらに、累進配当を掲げており、長期的に増配を続けてきた実績もありました。
2月22日時点では株価指標もPER12.9倍、PBR1.18倍、配当利回り3.89%。爆発的な成長株というより、安定した事業と株主還元をじっくり評価したい銘柄でした。
このあたりを評価して、私は「まだ持っていていい銘柄」と判断していました。
その後の株価はどうなった?
結論から言うと、株価はかなり上がりました。
2月20日の終値は1,389円。その後いったん1,200円台まで下落する場面もありましたが、5月以降に反発。7月には上昇ペースが一気に加速し、7月21日には年初来高値2,144円をつけています。
2月20日の1,389円から単純計算すると、2,144円まで約54%の上昇です。
その後はさすがに調整しましたが、8月中旬でも2,000円前後。2月の水準と比較すれば、かなり株価位置が変わりました。
「もうすぐダブルバガー」と書いていた私からすると、さらに上昇してくれたのは素直にうれしいところです。
ただし、一度は「やっぱり微妙だった?」となった
ここで面白いのが、ずっと順調だったわけではないことです。
2026年3月期の営業収益は797億円と増収でしたが、営業利益は40.9億円、経常利益は48.6億円となり、それぞれ前期比で減益でした。
2月の記事では「営業利益はキレイに上昇している」と評価していたので、決算だけを見ると少し雲行きが怪しくなったわけです。
「おいおい、ピックアップした直後に減益かよ」
と、記事を書いた本人としては若干イヤな展開です。
ただ、最終利益は63.3億円と29%増加。物流事業の一時的な利益圧迫だけで、長期的な投資判断をひっくり返すほどではないと私は見ていました。
そこから業績が一気に上向いた
そして、ここから流れが変わります。
2027年3月期に入ると、第1四半期の営業収益は209.3億円、営業利益は12.0億円。前年同期比でそれぞれ4.5%増、18.2%増となりました。
特に物流事業では、3PL業務の取扱量増加、各拠点の稼働率改善、新規の医療機器業務などが寄与。さらに、コスト上昇に対して料金適正化を進めたことで、利益率も改善しています。
2月時点では「安定企業」という見方が中心でしたが、今の澁澤倉庫は「安定しているだけではなく、利益を伸ばせる状態」に戻ってきた印象があります。
ここは今回のレビューで、かなり評価したいポイントです。
7月には業績予想を上方修正、そして増配
さらに7月30日、澁澤倉庫は2027年3月期の業績予想を上方修正しました。
通期の営業収益は従来予想830億円から900億円、営業利益は50億円から53億円、経常利益は57億円から60億円へ引き上げています。経常利益は前期比23.5%増の見通しです。
そして、個人的にはこっちのほうがうれしい。
年間配当が70円から90円へ増額されました。
普通配当は年間80円で、さらに創業130周年の記念配当10円が加わる形です。単純な記念配当だけではなく、普通配当そのものも増えている点は評価できます。
2月に「配当を重視して保有したい」と考えていた私にとって、これはかなり嬉しいニュースでした。
さらに自社株買いまでやっている
澁澤倉庫は配当だけでなく、株主還元策も強化しています。
2026年5月には自己株式の取得を決議し、6月には21万1,300株、約3.13億円を取得。さらに7月にはこの取得を終了しています。
そして8月には新たに、80万株・15億円を上限とする自己株式取得を決定。取得した自己株式は2027年3月末に消却する予定です。
配当を増やすだけではなく、自己株式取得と消却まで進める。
2月の記事を書いたときよりも、株主還元に対する会社の姿勢は一段強くなったように感じます。
株価が上がった今、買い増しはどうする?
ここが一番悩ましいところです。
2月20日の株価は1,389円でした。それが7月には2,144円まで上昇し、8月中旬も2,000円前後で推移しています。
さすがに1,300円台のときと同じ感覚で「安いから買おう」とは言えません。
一方で、業績予想は上方修正され、年間配当も90円へ増額。第1四半期も増収増益で、会社自身も通期の経常利益60億円を見込んでいます。
つまり、株価だけが上がったわけではありません。
業績と株主還元の両方が改善しているので、「株価が上がったから全部割高」とも言い切れないところが難しいです。
私は澁澤倉庫をどうするのか
私は今のところ、保有継続です。
2月の記事を書いた時点では「もうすぐダブルバガー」という状態でしたが、その後さらに株価が上昇しました。
ここまで上がると「一回売って利益確定したほうがいいのでは?」という気持ちも出てきます。
でも、私が澁澤倉庫を保有している理由は、単純な値上がり期待だけではありません。
物流という比較的安定した事業があり、不動産による収益もある。そして増配と自社株買いまでやってくれる。
こういう銘柄は、株価が上がったからといって簡単に手放したくないんですよね。
むしろ「安く買えた自分、ありがとう」と思いながら、そのまま保有するほうが今の私にはしっくりきます。
2月の自分の判断は正しかったのか?
半年後の答え合わせとしては、今のところ「かなり正しかった」と評価していいと思っています。
もちろん、2月の記事を書いた時点で7月に2,144円まで上がるなんて予想していたわけではありません。
実際には5月に1,250円まで下落する場面もありました。そこだけ切り取れば「ピックアップ失敗やん!」となっていた可能性もあります。
それでも、長期的な視点で見ると、物流事業の改善、業績予想の上方修正、増配、自己株式取得と、当時評価していた「安定性と株主還元」という部分がしっかり伸びてきました。
株価が上がったこと以上に、銘柄を選んだ理由がその後も崩れなかったことを私は評価したいです。
まとめ:澁澤倉庫は「買った後の答え合わせ」もできる銘柄だった
2月にピックアップした澁澤倉庫は、その後一度下落する場面がありながらも、最終的には大きく上昇しました。
さらに業績は回復し、2027年3月期の通期予想は上方修正。年間配当も70円から90円へ増額され、自己株式取得まで実施されています。
2月の記事では「もうすぐダブルバガー」と書いていましたが、今となってはそれどころではありません。
ただ、ここで「私の銘柄選びは完璧だった!」と調子に乗ると、だいたい次の銘柄で痛い目を見るのが株式投資です(笑)。
今回の澁澤倉庫については、株価が上がったことよりも、最初に評価したポイントがその後もしっかり機能したことが収穫でした。
今後も「今週のピックアップ銘柄」を選ぶだけでなく、数か月後にこうやって答え合わせをしていきたいと思います。
次はどの銘柄が「答え合わせしてみたら大正解」になってくれるのか。
……できれば全部そうなってほしいんですけどね(笑)。

