【2026年版】防衛関連株5選!国策で伸びる注目銘柄は?三菱重工を中心に徹底解説
「防衛関連株が上がっているらしい」
「防衛費が増えているなら、防衛株を買っておけばいいのでは?」
2026年になって、そんなことを考える投資家も増えているのではないでしょうか。
日本では防衛力の強化が進められており、防衛関連企業には長期的な追い風が吹いています。一方で、防衛関連株なら何でも買えばいいというほど単純な話でもありません。
実際、2025年から2026年にかけて大きく上昇した三菱重工業、IHI、川崎重工業などの株価は、その後調整する場面も見られました。
では、防衛株の成長ストーリーは終わったのでしょうか。
私はそうは考えていません。
ただし、これからの防衛関連株を見るなら、「防衛費が増えるから買う」という視点だけではなく、「その会社が防衛以外にどんな成長分野を持っているのか」まで見ることが重要だと思います。
そこで今回は、2026年に注目したい防衛関連株を5銘柄取り上げます。
特に注目したいのが三菱重工業です。


日本の防衛費は増えている
まず、防衛関連株を見るうえで押さえておきたいのが、日本の防衛力強化です。
日本では2023年度から2027年度までの5年間で、防衛力の抜本的な強化を進める方針が打ち出されました。
この防衛力強化を背景として、ミサイル、戦闘機、艦艇、レーダーなど、さまざまな防衛装備への投資が拡大しています。
その恩恵を受ける代表的な企業が、今回紹介する三菱重工業、IHI、川崎重工業などです。
ただし、ここで初心者が注意したいのが、
「防衛費が増える=防衛株は永遠に上がる」
ではないということです。
企業の業績は、防衛予算そのものだけでなく、
- どんな装備を受注しているのか
- 受注した案件をどのくらいの利益率で消化できるのか
- 防衛以外の事業はどうなのか
- 株価がすでにどこまで期待を織り込んでいるのか
といった点によって大きく変わります。
特に大型の防衛装備は、一般的な消耗品のように毎年同じペースで売れるわけではありません。
一度大型案件を受注すると、その後しばらく受注が落ち着くこともあります。
そのため、防衛関連株に投資するときは「国策」という言葉だけで判断しないことが大切です。
2026年に注目したい防衛関連株5選
今回取り上げるのは以下の5銘柄です。
| 銘柄 | コード | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 三菱重工業 | 7011 | 防衛+エナジー+原子力 |
| IHI | 7013 | 航空エンジン+防衛+宇宙 |
| 川崎重工業 | 7012 | 防衛航空機+潜水艦 |
| 三菱電機 | 6503 | レーダー・電子戦・宇宙 |
| 日本製鋼所 | 5631 | 火砲・防衛装備・素材技術 |
この中でも、私が特に注目したいのが三菱重工業です。
理由は、防衛だけに成長を依存していないからです。
三菱重工業(7011)
防衛株の本命だが、防衛だけではない
防衛関連株と聞いて、まず名前が出てくる企業の一つが三菱重工業です。
三菱重工は、戦闘機やミサイルなどの防衛装備だけでなく、発電設備、ガスタービン、原子力、航空宇宙、プラントなど、非常に幅広い事業を展開しています。
そのため、
「防衛株」というより「防衛も強い総合重工メーカー」
と考えたほうが実態に近いでしょう。
そして、ここが2026年の三菱重工を見るうえで非常に重要なポイントです。
防衛株ブームは一服している
三菱重工は2025年から2026年にかけて株価が大きく上昇しました。
しかし、その後は調整局面に入りました。
防衛関連株全体に同じような動きが見られたため、
「防衛株のブームは終わったのでは?」
と考える人もいるでしょう。
確かに、防衛関連株に対する期待がかなり株価に織り込まれた面はあります。
また、防衛装備は大型案件が中心となるため、防衛費が増え続けるからといって、企業の受注が毎年同じように増えるわけではありません。
ここは初心者が勘違いしやすいところです。
国の予算が増えることと、企業の利益が毎年同じペースで増えることは別の話です。
それでも三菱重工に注目したい理由
三菱重工の面白いところは、ここからです。
三菱重工は防衛だけで成長している会社ではありません。
特に注目したいのがエナジー事業です。
三菱重工は大型ガスタービンなどの発電設備で世界的な競争力を持っています。
そして現在、この事業に追い風となっているのがAIです。
AI時代の電力需要も追い風
生成AIの普及によって、世界中でデータセンターの建設が進んでいます。
データセンターを動かすには大量の電力が必要です。
しかも、データセンターは基本的に24時間稼働します。
そのため、単純に太陽光や風力発電を増やすだけでは対応が難しく、安定した電力供給をどう確保するかが大きな課題になっています。
そこで注目されるのがガスタービンです。
三菱重工は大型ガスタービンに強みを持っており、AI・データセンターによる電力需要拡大という、防衛とは別の成長テーマを持っています。
実際、三菱重工の2025年度第3四半期決算では、エナジー事業の受注が大きく伸び、受注残高は12兆円を超えていました。
2026年8月4日に発表された2026年度第1四半期決算でも、受注高は2兆224億円、売上収益は1兆1,942億円、事業利益は1,596億円と、前年同期を大きく上回っています。通期では事業利益5,400億円を見込んでいます。
つまり三菱重工を見るときは、
防衛株としてだけではなく、AIによる電力需要拡大の恩恵を受ける企業として見ることもできる
わけです。
原子力にも注目
もう一つ見逃せないのが原子力です。
AIによって電力需要が増える一方で、脱炭素も求められています。
安定した電力を大量に供給する手段として、世界的に原子力発電が改めて注目されています。
三菱重工は原子力関連でも高い技術力を持っています。
つまり、
防衛 → エナジー → 原子力 → AI・データセンター
という複数の成長テーマを持っているわけです。
これが、私が防衛関連株の中でも三菱重工を特に注目している理由です。
ただし、三菱重工にも当然リスクがあります。
大型案件は受注してから完成・売上計上まで時間がかかります。
その間に原材料価格や人件費が上昇すれば、利益率が圧迫される可能性があります。
また、過去にはMRJ(三菱リージョナルジェット)事業の撤退という大きな失敗もありました。
大型プロジェクトを数多く抱える企業だからこそ、「受注できるか」だけではなく」、「受注した案件をきちんと利益に変えられるか」を見る必要があります。
IHI(7013)
航空エンジンと防衛に強い
IHIも防衛関連株として注目度の高い企業です。
特に強いのが航空エンジンです。
IHIによると、日本のジェットエンジン生産の約7割を担っており、防衛省が運用する航空エンジンについても、戦闘機用を含め幅広く関わっています。
さらに、防衛だけでなく民間航空エンジンや宇宙事業にも展開しています。
2026年度についてIHIは、航空・宇宙・防衛事業で防衛事業の拡大や民間エンジンのアフターマーケット事業の成長などを見込んでいます。
IHIの場合、
防衛+航空+宇宙
という組み合わせが魅力です。
特に航空エンジンは、完成品を一度売って終わりというビジネスではありません。
航空機が運航される限り、整備や部品交換などのアフターマーケット需要が発生します。
そのため、防衛装備の大型案件だけを見るよりも、航空エンジンの長期的な収益力を見ることが重要でしょう。
川崎重工業(7012)
航空機と潜水艦に強み
川崎重工業も代表的な防衛関連銘柄です。
防衛航空機ではP-1固定翼哨戒機やC-2輸送機などを手掛けています。
また、川崎重工といえば忘れてはいけないのが潜水艦です。
海上自衛隊向け潜水艦の建造にも長年携わっており、2025年には「らいげい」、さらに「そうげい」の進水も行っています。
さらに2026年には、Airbus Defence and Space社と滞空型無人機分野で協業検討のMOUを締結しました。
今後、防衛分野では無人機やドローンなどの重要性も高まっていく可能性があります。
川崎重工は、防衛だけでなく二輪車、航空宇宙、エネルギー、船舶など幅広い事業を持っています。
そのため、単純な「防衛株」というより、防衛・航空宇宙を含む総合的な成長企業として見るのがよいでしょう。
三菱電機(6503)
レーダー・電子戦・宇宙に注目
防衛関連株というと、どうしても「戦車」「戦闘機」「艦艇」など目に見える装備を作っている会社をイメージしがちです。
しかし、現代の防衛では電子機器や情報通信も非常に重要です。
そこで注目したいのが三菱電機です。
三菱電機は防衛電子機器、レーダー、通信、宇宙関連などで幅広い技術を持っています。
2026年3月には、米国のロッキード・マーティンと静止軌道上の防衛通信衛星について協業する覚書を締結しました。
防衛の世界でも、
「何を撃つか」だけでなく「どう探知し、どう通信し、どう情報を共有するか」
が重要になっています。
その意味では、三菱電機は防衛のデジタル化・電子化というテーマから注目できる銘柄です。
また、次期戦闘機「GCAP」など、日本・英国・イタリアの防衛協力が進む中で、航空・電子システム関連の技術にも注目しておきたいところです。
日本製鋼所(5631)
防衛装備の「縁の下の力持ち」
最後に紹介したいのが日本製鋼所です。
三菱重工やIHIと比べると、一般の投資家には少し馴染みが薄いかもしれません。
しかし、防衛関連では非常に興味深い会社です。
日本製鋼所は創業以来、火砲システムの分野で事業を続けており、現在も防衛機器の設計・製造・整備などを手掛けています。
陸上自衛隊の19式装輪自走りゅう弾砲や、海上自衛隊の護衛艦に搭載される62口径5インチ砲、ミサイル発射装置なども製造しています。
つまり、
「防衛装備を作るための技術を持っている会社」
として注目できるわけです。
一方で、日本製鋼所も防衛専業ではありません。
産業機械や素材など幅広い事業を持っています。
そのため、投資するなら防衛事業だけではなく、会社全体の業績や利益率、受注状況を見ることが大切です。
防衛関連株は「国策だから買い」ではない
ここまで5銘柄を紹介してきました。
ただ、最後に一番伝えたいことがあります。
それは、
「国策に売りなしだから、防衛株を買えばいい」
という考え方には注意したほうがいいということです。
確かに国策は企業にとって強力な追い風になります。
しかし、株価は将来の業績を先取りして動きます。
防衛費が増えることが分かっているなら、その期待はすでに株価に織り込まれているかもしれません。
実際、三菱重工などの防衛関連株は大きく上昇した後に調整する局面がありました。
これは「防衛政策が失敗した」という話ではありません。
期待が先に株価へ織り込まれたから、株価が調整することもある
というだけです。
初心者投資家ほど、ここは覚えておきたいところです。
防衛株を見るなら「防衛以外」にも注目
今回紹介した5銘柄を並べてみると、それぞれ特徴が違います。
| 銘柄 | 防衛で注目する分野 | 防衛以外の注目分野 |
|---|---|---|
| 三菱重工 | ミサイル・戦闘機など | ガスタービン・原子力・エナジー |
| IHI | 防衛航空エンジン | 民間航空・宇宙 |
| 川崎重工 | 航空機・潜水艦 | 二輪・航空・エネルギー |
| 三菱電機 | レーダー・電子戦・宇宙 | FA・インフラ・電子機器 |
| 日本製鋼所 | 火砲・防衛装備 | 産業機械・素材 |
こうして見ると、同じ「防衛関連株」でも、かなり違います。
だからこそ、
「防衛費が増えるからどれを買う?」
ではなく、
「防衛費の増加に加えて、この会社にはどんな成長ストーリーがある?」
と考えることが重要です。
やはり特に注目するのは三菱重工
冒頭でも触れたように、5銘柄の中から一つ選ぶなら私は三菱重工を中心に見ていきたいと思います。
もちろん、これは「今の株価なら絶対買い」という意味ではありません。
むしろ、三菱重工はこれまで大きく上昇してきたため、株価が割高なのか、それとも企業の実力向上を考えればまだ評価できる水準なのかを慎重に判断する必要があります。
それでも注目する理由は、防衛以外の成長テーマがかなり大きいからです。
防衛については、今後の予算や大型案件の動向を見る必要があります。
一方で、エナジー事業では世界的な電力需要の増加、AI・データセンターによる電力需要、ガスタービン、原子力といった複数のテーマがあります。
つまり、
防衛が少し落ち着いても、別のところで成長できる可能性がある。
ここが三菱重工の面白いところです。
2026年度第1四半期も事業利益は前年同期比で大幅に増加しており、会社は通期で5,400億円の事業利益を見込んでいます。
まとめ:防衛株は「国策+企業の実力」で選びたい
日本の防衛力強化は、長期的に防衛関連企業の追い風になる可能性があります。
しかし、防衛株なら何でもいいわけではありません。
防衛装備は大型案件が多く、受注のタイミングによって業績が大きく変動することがあります。
さらに、期待が株価に織り込まれれば、防衛費が増えていても株価が下落することはあります。
だからこそ初心者投資家が防衛関連株を見るときは、
「国策だから買う」
ではなく、
「国策によって業績が伸びるのか。そして、その成長を株価がどこまで織り込んでいるのか」
という2つの視点を持っておきたいところです。
今回紹介した5銘柄は、
になります。
その中でも個人的に面白いと感じるのが三菱重工です。
防衛株としてだけでなく、ガスタービン、原子力、AI・データセンターによる電力需要など、複数の成長テーマを持っているからです。
防衛関連株への投資を考えるなら、「防衛費が増えるか」だけではなく、「その会社が10年後に何で稼いでいるのか」まで考えてみる。
この視点を持つと、防衛株の見え方が少し変わってくるのではないでしょうか。

