伝説の個人投資家・清原達郎氏の投資手法〜93倍のパフォーマンスを生んだ“割安小型株”戦略の全貌〜

伝説の個人投資家、清原さんの本をいまさら読みました。
やはり、すごく良い本でしたが同時に難しい本でもありました😁
本記事では、筆者なりの理解で嚙み砕いて内容を要約したいと思います。
筆者が試した清原流スクリーニングの結果だけ知りたい方は以下の内部リンクからどうぞ!
バフェットコードで清原流スクリーニング (2025年10月時点)
💡結論:株価が2倍になる“清原流”の本質とは
まずは結論からです。
株式投資で最も効率よく資産を増やす方法のひとつは、
「小型+割安+成長株の株主還元策で株価が2倍になるのを待つ」という戦略です。
この手法は、以下のような明確な選定条件に基づいています:
- 小型株:時価総額500億円以下
- 低PER:10倍以下を目安に割安性を重視
- ネットキャッシュ比率が高い:1以上を目安に実質的な割安性を確認
- 経営者のやる気:企業成長や株主還元への強い意志があることを見極め
これらの条件を満たす企業は、内部にため込んだキャッシュを配当や自社株買いなどの株主還元に活用する可能性が高いです。
これによって市場からの評価が一変し、株価が2倍になる可能性を秘めています。
この戦略は、短期的な値動きやマクロ経済の予測に頼るのではなく、“企業の本質的価値”と“経営者の意志”に着目することで、個人投資家でも再現性の高い投資法となっています。
🏆 清原達郎とは何者か?
清原さんは、野村證券でキャリアをスタートし、その後ゴールドマンサックス、モルガンスタンレーなどを経て独立。
2005年に日本の長者番付で個人1位となり、推定資産は800億円を超えたとされる伝説的な個人投資家です。
そのキャリアの中で独自の投資哲学を築き上げ、25年間の運用で資産を93倍に増やすという驚異的な成果を残しました。
彼の投資スタイルは、証券会社や機関投資家とは一線を画す“割安小型株への集中投資”。
市場の喧騒に惑わされず、企業の本質的価値と経営者の意志に着目することで、個人投資家でも再現可能な投資法を確立しました。
そして、彼は後継者を持たなかったので、引退後は自身のノウハウを惜しみなく公開。
その内容が”わが投資術”という著書にまとめられているということです。
その投資スタイルは短期売買やテクニカル分析とは無縁の、本質的かつ知的な投資アプローチです。
今なお多くの投資家に影響を与え続けています。
📘 “清原流”投資哲学:ミクロなら勝てる
清原さんは「マクロでは勝つことは非常に困難だが、ミクロでは勝てるチャンスが多い」と語ります。
つまり、経済、景気や金利といった大局よりも、個別の小型企業の本質的価値に着目すべきだという考えです。
🔍 伝説の個人投資家が小型株に注目する理由
清原さんが一貫して小型株にこだわる理由は、個人投資家が市場で優位性を発揮できる“数少ない領域”だからです。
大型株はすでに多くの機関投資家やアナリストによって分析され尽くしており、株価にはほぼ全ての情報が織り込まれています。
そのため、個人投資家が大型株を選定して購入することは、実質的にアクティブファンドと同じことをしているに過ぎず、結果としてTOPIXを上回る成果を出すのは極めて困難です。
一方、小型株は市場の注目度が低く、アナリストのカバレッジもほとんどありません。
つまり、情報の非対称性が存在しており、企業の本質的価値が株価に織り込まれていないケースが多々あります。
清原さんはこの“情報の空白地帯”にこそチャンスがあると考えています。
そして誰も見ていない企業に眠る隠れたストーリーを発掘することを投資の本質と位置づけています。
小型株は流動性や知名度では劣るかもしれませんが、本質的価値に対して割安に放置されている可能性が高く、個人投資家が独自の視点で勝負できるフィールドというわけです。
| 理由 | 解説 |
|---|---|
| 大型株はTOPIXに勝てない | アクティブファンドの多くがTOPIXを下回る |
| 個人投資家が大型株を買う意味は薄い | ファンドと同じことをしても勝てない |
| 小型株はプロの目が届かない | アナリストのカバレッジが少なく、情報の非対称性がある |
| 隠れたストーリーが眠る | 誰も見ていない企業にこそチャンスがある |
🧠 割安株しか買わない。その“割安”とは?
清原さんの投資スタイルは徹底して割安株のみを対象としています。
しかし、ここでいう「割安」とは、単にPERが低いという表面的な判断ではありません。
一般的には、PER(株価収益率)が低ければ割安とされがちですが、それだけではバリュートラップに陥る危険があります。
つまり、業績が悪化している企業や将来性のない企業が、見かけ上の指標だけで“割安”に見えることがある、というのです。
清原氏はこのリスクを避けるために、ネットキャッシュ比率という独自の指標を重視しています。
💡 ネットキャッシュ比率の定義
ネットキャッシュ = 流動資産 +(投資有価証券 × 70%)− 負債
ネットキャッシュ比率 = ネットキャッシュ ÷ 時価総額
これは企業が保有する現金や流動資産から負債を差し引いた実質的なキャッシュ量を、時価総額と比較することで、本当に割安かどうかを見極めるものです。
この比率が1以上であれば、企業の保有資産が時価総額を上回っていることになり、市場から過小評価されている可能性が高いと判断できます。
さらに清原さんは、流動資産>負債という条件も重視します。
これは企業が短期的な支払い能力を十分に持っているかどうかを示すもので、財務の健全性を測る重要な指標です。
また、PBR(株価純資産倍率)では固定資産が含まれてしまいますが、清原さんは固定資産は評価しないという立場をとっています。
なぜなら、固定資産には維持費や更新費がかかり、実質的な価値を測るには不向きだからです。
つまり、清原流の“割安”とは、財務の健全性・資産の流動性・市場評価とのギャップを総合的に見極めた上での判断です。
単なる指標の低さではなく、企業の本質的価値に対する冷静な評価に基づいています。
- 表面的なPERの低さだけでは不十分
- ネットキャッシュ比率を重視し、企業の実質的な財務力を見極める
- 流動資産(1年以内に現金化できる資産)に注目
- 固定資産は評価しない:維持費・更新費がかかるため
📊 清原流スクリーニング条件
清原さんの投資手法は、感覚や直感ではなく、明確な数値基準に基づいて銘柄を選定する点に特徴があります。
その根底にあるのは、「本当に割安かどうか」を見極めるための財務的な裏付けです。
清原さんは前セクションで説明したネットキャッシュ比率という独自の指標を用いて、企業の実質的な財務健全性と割安性を見抜いています。
そして以下が清原流スクリーニング条件です。
| 指標 | 条件 | 条件を設定する理由 |
|---|---|---|
| PER | 10倍以下 | 割安性の第一基準 |
| PBR | 1倍以下 | 資産価値の確認 |
| 流動資産 | 負債より多い | 財務健全性の確認 |
| ネットキャッシュ比率 | 1以上 | バリュートラップ回避(本質的割安性) |
| 時価総額 | 500億円以下 | 情報の空白地帯を狙う |
このスクリーニングを実際に筆者などの個人が実施するのに便利なツールとしてバフェットコードがあります。
バフェットコードではPER, PBR, 流動資産、時価総額などで簡単にスクリーニングできます。
そしてその結果をExcelなどの表計算ソフトに持っていくことも可能です。
なので、自身で工夫すればネットキャッシュ比率を計算して条件を満たすかどうかも確認可能です。
注意点として、投資有価証券だけは決算短信などを見ていかないと分からないので、最初のスクリーニングでは目をつぶってもよいでしょう。
バフェットコードで清原流スクリーニング
実際にバフェットコードでスクリーニング条件を入力した図が以下の図です。 (2025年10月)

ここではPER, PBR, 時価総額、流動資産と時価総額の関係、ROE、という4つの条件を指定しています。
PER10倍以下などだけではかなりの銘柄がヒットするので、ここではあえて条件を厳しくしました。
筆者が試したこの条件では約35銘柄がヒットしました。
検索語は、画面右下にダウンロードのボタンがありますので、ここからcsvファイルを入手できます。

このとき、表示項目に「負債」も予め入れておくとネットキャッシュ比率の計算に便利です。
気になる銘柄ピックアップ
ヒットした銘柄の中で気になった銘柄を以下にあげます。
| コード | 会社名 | セクター | PER | PBR | 時価総額 | ネットキャッシュ比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 7427 | エコートレーディング | 卸売 | 5.7倍 | 0.48倍 | 56億円 | 1.6 |
| 5965 | フジマック | 金属 | 6.2倍 | 0.57倍 | 155億円 | 0.25 |
ネットキャッシュ比率だけを見るとアップルインターナショナル(2788)などもかなり高いですが、業績に波があるようでした。
フジマックはそれほど高くないですが、ヘムさんの投資手法で知った安全域が高いことで取り上げた銘柄だったので目につきました。

💼 経営者の“やる気”が9割を決める
さらに清原さんは「小型株の成長は経営者が9割」とも断言しています。
そして以下のような企業姿勢を重視します:
- 成長への強い意志
- 株主還元への積極性(増配・自社株買い)
- キャッシュを株価向上に活用する姿勢
💰 “清原流”投資手法:株主還元と株価2倍のロジック
清原さんの投資戦略において、企業がため込んだキャッシュをどう使うかは極めて重要なポイントです。
単に現金を持っているだけでは株価は上がりません。
しかし、そのキャッシュが株主還元に使われた瞬間、市場の評価は一変します。
具体的には、企業が増配や自社株買いを実施することで、投資家に利益が還元され、
その結果として株価が2倍になる可能性が現実的に生まれる、ということです。
このロジックは、以下のような流れで成立します:
- 企業がネットキャッシュ比率の高い状態で現金をため込んでいる
- 経営者が株主還元の意志を持ち、増配や自社株買いを実施
- 市場がその姿勢を評価し、株価が本来の企業価値に収斂する
- 結果として株価が2倍以上に上昇するケースも珍しくない
特に清原さんは、自己資本比率が高く、財務が健全な不動産株に注目しており、実際に最大の利益を得た銘柄はプレサンスコーポレーションということでした。
このように、清原流の投資ではキャッシュの量だけではなく、その使い方に注目します。
企業が株主の利益を意識し、行動に移すかどうかが、株価上昇の鍵を握っています。
- キャッシュリッチな企業が株主還元に踏み切ると株価は2倍になる可能性
- 配当性向や現金保有額をチェック
- 自己資本比率が高い不動産株は狙い目
🧪 実践モデル:200万円で始める”清原流”投資手法
清原さんの投資手法は、個人投資家でも少額から再現可能な点が大きな魅力です。
ここでは、200万円の資金を使って清原流を実践するモデルケースをご紹介します。
| 投資先 | 金額 | 目的 |
|---|---|---|
| TOPIX ETF | 100万円 | 市場平均のリスクヘッジ |
| 小型株10銘柄 | 100万円 | 清原流の割安成長株投資 |
この配分は、リスク分散と成長期待のバランスを取るための設計です。
TOPIX ETFは市場全体の動きに連動するため、ポートフォリオの安定性を確保できます。
前述の通り、大型株を買うのはプロの投資家が実施しているアクティブファンドとやってることが同じです。そして多くのアクティブファンドはTOPIXに勝てません。
したがって、それを個人投資家が実施しても勝てないので、TOPIX のETFを買う方がよい、ということです。
一方、小型株10銘柄への分散投資は、清原さんが重視する割安性・成長性・経営者の意志を見極めたうえで選定する必要があります。
1銘柄あたり10万円の投資であれば、リスクを抑えつつ複数の成長機会にアクセスできます。
このモデルは、短期売買ではなく中長期の視点で企業価値の開花を待つスタイルです。
清原さんのように、最低でも株価2倍を狙う覚悟を持って取り組むことが重要です。
🎯 “清原流”投資手法:利益確定のタイミング
清原さんの投資手法は、短期的な値動きに左右されるスタイルではありません。
- 30%の上昇で利益確定するような投資スタイルには向いていない
- 清原さんは最低でも株価2倍
- 企業の本質的価値が市場に評価されるまで数年単位で待つ覚悟が必要
このスタイルは、忍耐力と企業分析力を兼ね備えた投資家にこそ適しています。
🏁 まとめ:清原流は個人投資家の希望
清原さんの投資手法は、情報の非対称性を活かし、小型+割安+成長企業の本質的価値を見抜く力に根ざしています。
- マクロではなくミクロに集中することで、個人投資家でも勝てる
- 割安小型株に絞り、ネットキャッシュ比率・PERでスクリーニング
- 経営者の意志を見極める
- 株主還元による株価2倍を長期的に待つという明確な戦略
これは、短期売買や市場予測に頼らず、本質的な企業価値に投資する知的なアプローチです。
清原流は、個人投資家だからこそ実践できる“再現可能な勝ち筋”である、と感じました。
筆者も小型割安株の比率をもっと増やそうと考えています😁
最後になりますが、清原さんが Forbes JAPAN の取材で語った日本株の相場観も参考になりますので、リンクを貼っておきます。端的にいえば”強気“ですね。
清原達郎、伝説のファンドマネージャーが教えるこれからの相場 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

