470兆円の未上場3社が市場を変える?Anthropic・OpenAI・SpaceX投資の戦略
3社合わせて約470兆円――。
これは日本を代表する企業であるトヨタ自動車の時価総額の約108倍、そして日本GDPの約8割に匹敵する規模です。
今、世界の投資家が注目しているのが、IPO(新規上場)の可能性が噂されている3社、Anthropic、OpenAI、SpaceXです。
もしこの3社が本格的に上場すれば、米国株市場の景色そのものが変わる可能性があります。
今回は、IPO候補として世界が注目する3社について、指数採用ルールから投資信託・ETF・個別株戦略まで徹底的に整理していきます。
日本GDPの8割!?3社の凄さをデータで理解
なぜこの3社がここまで注目されているのでしょうか。
理由はシンプルです。
今のAI相場を作っている中心企業2社と、イーロン・マスク率いる宇宙インフラ企業だからです。
ただし最初に注意点があります。
今回紹介する3社はいずれも未上場企業です。上場企業のように詳細な決算資料が開示されているわけではありません。今回紹介する数字は、主にフォーブス、ロイター、ブルームバーグなどの報道ベース、そして各社の発表ベースの情報です。
その前提を踏まえて見ていきましょう。
Anthropic|OpenAIを超える可能性もある本命
まず最初に注目したいのがAnthropicです。
同社はAI「Claude(クロード)」を開発している企業です。
日本ではChatGPTほど知名度は高くないかもしれません。しかし、実際にAIを業務利用している人ほど、Claudeの強さを実感しているケースが多いでしょう。
特に評価されているのが、
です。
そして何より異常なのが成長スピードです。
Anthropicは約9000億ドル(約141兆円)評価で、500億ドル規模の資金調達を準備中と報じられています。成立すれば、2026年3月時点で約8520億ドル評価とされるOpenAIを上回る可能性があります。
さらに驚異的なのが「ランレート売上」です。
ランレート売上とは、
直近1か月の売上 × 12
で計算する年間換算売上のことです。
スタートアップ企業では、急成長を測る指標としてよく使われます。
Anthropicのランレート売上は、
と、異次元の伸びを見せています。
特に2026年2月から3月にかけて、わずか1か月で倍増しています。
しかも、コーディング支援サービス「Claude Code」は、ローンチからわずか9か月でランレート25億ドルを達成。
さらにFortune 500企業のうち多数が顧客であり、年間100万ドル以上を支払う企業アカウントも1000以上存在するとされています。
名前の強さはOpenAI、話題性はSpaceXですが、企業利用の伸びを見ると、Anthropicはかなり本命感があります。
OpenAI|生成AI革命の中心企業
次はOpenAIです。
ChatGPTを生み出した企業として、生成AIブームの中心にいる存在です。
今やAIは、
など、仕事や学習のインフラになり始めています。
OpenAIの数字も桁違いです。
まさに生成AI時代の中心企業と言えます。
ただし、冷静に見る必要もあります。
OpenAIもAnthropicも、今は「巨大投資フェーズ」です。
AIには莫大なコストがかかります。
など、あらゆる面で巨額投資が必要です。
OpenAIの2026年予想赤字は約140億ドルとも言われています。
つまり、
「夢は非常に大きいが、求められる成長率も極めて高い」
という状態です。
SpaceX|すでに利益を出している超大型IPO候補
3社の中で異質なのがSpaceXです。
一般的には「ロケット会社」というイメージが強いですが、投資家目線では本当のポイントは「Starlink(スターリンク)」です。
Starlinkは衛星通信ネットワークです。
など、地上インフラが届きにくい場所へ、宇宙から通信を届けます。
すでに低軌道衛星を9500機以上打ち上げ、世界人口の99%をカバー。ユーザー数は1000万人超とされています。
2025年のStarlink売上は約123億ドル。
しかも、SpaceX全体売上の7〜8割を占める「キャッシュエンジン」になっています。
つまりSpaceXは単なるロケット会社ではなく、
「宇宙通信インフラ企業」
なのです。
さらに驚異的なのが利益です。
- 2025年売上:約150〜160億ドル
- 利益:約80億ドル
と報じられています。
普通のIPOは「これから成長します」という企業が多いですが、SpaceXは違います。
「すでに巨大な利益を出している企業が、さらに宇宙インフラを取りに行く」
これが別格なのです。
IPO時評価額は最大1.75兆ドルとも言われています。
すぐ買えるの?指数ルールを理解する
では、実際にどう投資するのでしょうか。
重要なのは、
「上場しただけではインデックスに入らない」
という点です。
S&P500の壁はかなり高い
S&P500には厳しい条件があります。
主な条件は、
などです。
つまり、赤字のAnthropicやOpenAIは、上場してもすぐにはS&P500入りできない可能性があります。
一方で、SpaceXは黒字企業として上場する可能性が高く、S&P500早期採用候補になり得ます。
上場後に狙いたい投資信託・ETF5選
NASDAQ100|最も本命候補
NASDAQ100は、今回最も有力な候補です。
理由は「Fast Entry Rule(ファストエントリー制度)」です。
巨大IPO企業は、通常の定期見直しを待たずに早期採用される可能性があります。
Anthropic、OpenAI、SpaceXはいずれも規模が巨大であり、採用候補として非常に有力です。
しかもNASDAQ100は赤字企業でも採用対象になり得ます。
そのため、
- 早く拾える
- 3社をまとめて拾いやすい
- 低コスト商品が多い
という強みがあります。
ただし、100社分散なので比率はそこまで大きくありません。
FANG+|入れば超強力
FANG+は10銘柄集中型です。
もしAnthropicやOpenAIが採用されれば、1社あたり約10%近いインパクトになる可能性があります。
ただし枠が少なく、SpaceXは「宇宙・通信・防衛」の色も強いため、採用されるかは微妙です。
Zテック20|3社を濃く持てる可能性
iFreeNEXT世界トレンド・テクノロジー株(Zテック20)は、かなり面白い候補です。
20銘柄集中型であり、しかも新規上場大型テック企業を柔軟に組み入れる余地があります。
NASDAQ100よりも「濃く持てる可能性」がある点が魅力です。
AI特化ETF|Anthropic・OpenAI狙い
AI2社狙いなら、AI・クラウド・プラットフォーム系を重視するETFも候補です。
AnthropicやOpenAIとの相性は非常に良い一方、SpaceXはやや入りにくい可能性があります。
MEGA|SpaceX狙いなら面白い
利益成長率も重視するタイプのファンドでは、黒字企業のSpaceXが有利です。
一方で、赤字のAnthropicやOpenAIは不利になりやすいです。
実は上場前から投資できるETFもある
408A|国内ETFでAnthropicに触れられる可能性
408A(iシェアーズ AIイノベーションETF)は、国内上場ETFです。
報道ベースではAnthropicが組み入れられている可能性があります。
NISA成長投資枠対応で、日本円で買える点も魅力です。
ただし、Anthropic集中投資ではなく、AI全体への分散投資商品です。
AGIX|SpaceXとAnthropicを持てる海外ETF
AGIXは未上場AI企業にも投資する海外ETFです。
報道ベースでは、
- Anthropic:約2.67%
- SpaceX:約1.58%
が組み入れられているとされています。
SBI証券などでも購入可能です。
ただし、
- ドル建て
- 為替リスク
- 未上場株の透明性
には注意が必要です。
オルカン・S&P500投資家はどう考えるべき?
ここで多くの人が迷います。
結論から言えば、
いきなりコア資産を崩す必要はありません。
です。
コアは崩さない
オルカンやS&P500は、長期投資のコアとして非常に優秀です。
もしこの3社が本当に世界を代表する企業になれば、将来的には指数に組み入れられる可能性があります。
もちろん時間はかかるかもしれませんし、比率もそこまで高くないかもしれません。
しかし、それこそがインデックス投資の強みでもあります。
20年前のトップ企業は今とは違う
20年前、時価総額上位には、
- ExxonMobil
- GE
などがいました。
当時、
でした。
つまり、
「20年後の勝者は、今の私たちには完全には見えない」
のです。
だからこそ、コアでは広く持つことが重要になります。
サテライトは10〜20%程度まで
その上で、
「この3社を少し濃く持ちたい」
という場合は、サテライト運用が有効です。
目安としては資産全体の10〜20%程度。
これ以上になると、もはやコアそのものが揺らぎ始めます。
個別株で買うのはどうなのか?
もちろん、最も濃く投資できるのは個別株です。
ただし、注意点もかなり大きいです。
IPO価格で買える可能性は低い
超大型IPOでは、機関投資家や大口投資家が優先されます。
日本の個人投資家が公開価格で買える可能性は、現実的にはかなり低いでしょう。
多くの人は、
上場後に楽天証券やSBI証券で買う
という形になるはずです。
超大型IPOは意外と厳しい
歴史的に見ると、超大型IPOは必ずしも好成績ではありません。
過去の大型IPO銘柄では、
- 上場後1年で大きく下落
- S&P500に負ける
ケースも少なくありません。
市場期待が高すぎるからです。
上場直後はPERが極端に高くなりやすい
特にAI関連は期待先行になりやすいです。
少しでも、
- 成長鈍化
- 決算ミス
- AIブーム減速
が起きれば、大きく売られる可能性があります。
つまり個別株は、
「最も夢が大きいが、最も難しい」
投資手法でもあります。
まとめ|470兆円IPO時代にどう向き合うか
Anthropic、OpenAI、SpaceX。
この3社は、AI・宇宙・通信という次世代インフラの中心候補です。
もし本格上場すれば、米国市場そのものを変えるインパクトを持つ可能性があります。
ただし、
という点は冷静に理解する必要があります。
その上で、
という考え方は、かなり現実的な戦略になると考えています。

