【週間相場まとめ】半導体が歴史的暴騰|SOX18連騰と“Sell in May”の真実
今週の株式市場は、まさに歴史的とも言える1週間でした。
米国株、日本株、そして全世界株が揃って上昇し、過去最高値の更新が相次ぐ異例の展開となりました。
特に印象的だったのは、半導体セクターの圧倒的な強さです。SOX指数はなんと18日連続上昇という前代未聞の記録を達成し、その上昇率も+42%と、これまでの常識を覆すレベルに達しています。
さらに個別銘柄でも、Intelが25年ぶりにドットコムバブル期の高値を更新するなど、市場全体が“新しいフェーズ”に入ったことを感じさせる動きが目立ちました。
そしてもう一つ、投資家にとって重要なテーマがあります。
それが「Sell in May(5月に売れ)」という格言です。今年はこれに従うべきなのか、それとも無視すべきなのか。過去データをもとに検証すると、意外な結論が見えてきました。
本記事では、今週の市場を多角的に分析しながら、投資家としてどう向き合うべきかを深掘りしていきます。
今週、あなたの資産は増えたのか?
まず最初に確認しておきたいのが、「実際に今週、資産はどう動いたのか」という点です。
結論から言えば、多くの投資家にとって今週は資産が増えた週だったはずです。特に米国株に投資している人にとっては、その恩恵を強く感じたのではないでしょうか。
NASDAQ100やS&P500は引き続き強く、特にハイテク・AI関連銘柄が市場を牽引しました。仮に1億円を投資している人であれば、1週間で100万円以上の増加というのも現実的なラインです。
さらに視点を長期に広げると、そのインパクトはより鮮明になります。例えば2024年以降の比較的短い期間でも、5000万円を投資していれば3000万円以上の利益が出ているケースも珍しくありません。2020年からのデータで見れば、元本と同額以上の利益が乗っている状況です。
そして極めつけは、長期投資の威力です。S&P500に50年前に100万円投資していた場合、現在では約5億円規模にまで膨れ上がっています。この事実が示しているのは、タイミングではなく時間そのものが最大のリターンを生むという点です。
米国株:AIと戦争がせめぎ合う異常な相場
今週の米国株は、単純な上昇相場ではありませんでした。むしろ、相場の裏側では常に緊張感が漂っていました。
キーワードは「AI」と「中東情勢」です。
週の前半はAI関連の期待が市場を押し上げましたが、後半にかけてはイラン情勢の緊迫化により、原油価格が急騰し、インフレ懸念が再燃しました。ホルムズ海峡の封鎖リスクは、世界経済にとって非常に重要な問題であり、原油価格は一時100ドル近くまで上昇しました。
通常であれば、このような状況は株価にとってマイナス材料です。しかし今回異常だったのは、それでも株価が崩れなかったことです。
なぜか。
その答えが、次のセクションにあります。
半導体はなぜ“別世界”なのか
今週の主役は間違いなく半導体でした。
SOX指数は18日連続上昇という歴史的記録を打ち立て、わずか1ヶ月で+30%以上の上昇を記録しています。レバレッジETFであるSOXLに至っては、昨年の底値から約10倍という驚異的な伸びを見せています。
では、なぜここまで強いのか。
その理由は非常にシンプルです。
「供給不足」です。
AIの急成長によって半導体需要が爆発的に増加している一方で、供給が追いついていない。さらに中東情勢によって原油供給にも不安が生じています。
この2つに共通しているのは、「足りないものを作る企業が利益を独占する」という構造です。実際に、S&P500の利益予想(EPS)は321ドルまで上昇しており、企業の稼ぐ力そのものが大きく伸びています。
つまり現在の株価上昇は、単なる期待ではなく、実際の利益成長に裏付けられているのです。
Sell in Mayはもう通用しないのか?
「5月に売れ」という格言は、長年語り継がれてきました。
しかし、近年のデータを見ると、その前提が崩れつつあります。
過去10年間のS&P500を検証すると、5月から10月の期間は10回中9回が上昇しており、平均リターンは+6.9%となっています。さらに2025年に至っては、この期間で+22.8%という驚異的なパフォーマンスを記録しました。
もしこの格言に従って売却していた場合、その利益はすべて取り逃していたことになります。
これは非常に重要な示唆です。
つまり、
「過去の常識」が今も通用するとは限らない
ということです。
日本株:指数の裏で起きている“歪み”
日本株も好調に見えますが、その中身は決して一枚岩ではありません。
日経平均は半導体関連株の影響で上昇を続けていますが、一方でTOPIXは下落するという逆行現象が起きています。これはつまり、一部の大型ハイテク銘柄だけが市場を押し上げている状態です。
さらに個別株を見ると、そのリスクはより明確になります。
任天堂は高値から40%以上下落し、オリエンタルランドに至っては50%以上の下落を記録しています。驚くべきことに、これらの企業は決して業績が悪いわけではありません。それでも株価は下がるのです。
ここから学べるのは、
株価は「現在」ではなく「未来」を織り込む
という原則です。
全世界株:見えない分断
全世界株も上昇基調にありますが、その内訳を見ると明確な差があります。
ヨーロッパは原油高の影響を強く受け、経済成長率の見通しも下方修正されています。一方、中国ではAI関連企業が急騰し、新たな成長ドライバーとして注目されています。
インドは原油依存度が高いため、エネルギー価格の変動に大きく影響を受けています。
つまり、「全世界株」と一言で言っても、実際には地域ごとに全く異なる動きをしているのです。
ピーター・リンチが教える投資の本質
ここで、長期投資において最も重要な考え方を紹介します。
ピーター・リンチはこう言っています。
調整に備えて売った投資家は、調整そのものよりも大きな損をする
これは今週の相場そのものです。3月の下落で不安になり、投資を止めた人は、その後の半導体ラリーをすべて逃しました。
S&P500は年平均+12%で成長していますが、その途中では毎年のように-10%以上の下落があります。それでも最終的に資産を増やしているのは、市場に居続けた人だけです。
まとめ:結局やることは変わらない
どれだけ市場が動いても、結論は非常にシンプルです。
長期投資において重要なのは、
- 上がっても焦らない
- 下がっても恐れない
- 必要な時だけ売る
市場はこれからも上がり続ける保証はありません。しかし同時に、下がり続けることもありません。重要なのは、その波の中で自分の軸を持ち続けることです。
来週の注目イベント
来週は極めて重要な1週間になります。
- 日銀会合
- FOMC
- Microsoft、Amazon、Appleなどの決算
- GDP速報
- PCE(インフレ指標)
これらが一気に発表されることで、現在の上昇トレンドが本物かどうかが試されます。
ただし、どんな結果になろうとも、投資家としてやるべきことは変わりません。
淡々と積み立て、淡々と保有する
それが、最も再現性の高い戦略です。

