SpaceXついに上場!初日で時価総額2.1兆ドルへ。テスラ級の成長はあるのか?
ついにSpaceXが株式市場へ上場しました。
公開価格135ドルでスタートしたSpaceX株は、初値150ドルをつけ、その後一時176ドルまで上昇。終値は161ドルとなり、公開価格比で約19%高という好調な船出となりました。
そして市場を驚かせたのは株価だけではありません。
終値ベースの時価総額は約2.1兆ドル。これは単なる大型IPOではなく、上場した瞬間に世界有数の巨大企業が誕生したことを意味します。
果たしてSpaceXは今後、テスラのような大化け銘柄となるのでしょうか。そしてオルカンやNASDAQ100、S&P500にはいつ組み入れられるのでしょうか。
今回はSpaceX上場のインパクトと、長期投資家がどのように向き合うべきかを考えていきます。
上場初日はどうなった?市場はSpaceXをどう評価したのか
まずは初日の値動きを整理してみましょう。
公開価格は135ドル。
初値は150ドルとなり約11%上昇。その後さらに買いが集まり、一時176ドルまで上昇しました。これは公開価格から約31%高の水準です。
最終的な終値は161ドルとなり、公開価格比で約19%高となりました。
IPOとしては非常に力強いスタートです。
しかしSpaceXの場合、一般的なIPO企業とは事情が異なります。
通常のIPOでは、上場後に市場から徐々に評価されながら企業価値を高めていきます。しかしSpaceXは違います。上場した瞬間から世界トップクラスの企業として扱われています。
時価総額ランキングで見れば、NVIDIA、Apple、Alphabet、Microsoft、Amazonに続く世界第6位クラスの規模です。
TSMCやTesla、Metaを上回る水準に到達しており、「ロケット会社が上場した」というよりも、「宇宙インフラ企業が世界の中心市場に登場した」と表現した方が適切かもしれません。
SpaceXはなぜここまで高く評価されているのか
SpaceXは2002年にイーロン・マスク氏によって創業されました。
多くの人はロケット会社というイメージを持っていますが、現在の収益の柱はスターリンクです。
スターリンクは低軌道衛星を活用した通信サービスであり、世界中にインターネット接続を提供しています。
さらにSpaceXには、
といった複数の成長エンジンがあります。
つまり市場は単なる宇宙開発企業としてではなく、「次世代の通信・インフラ・AI企業」としてSpaceXを評価しているのです。
今回の上場によってイーロン・マスク氏の存在感もさらに大きくなりました。
報道によれば、SpaceX株の上昇によってマスク氏の資産は1兆ドル規模に到達したとも伝えられています。
もちろん富の集中や政治的影響力への懸念もあります。実際にニューヨークでは上場に反対するデモも行われたようです。
しかし一方で、再利用ロケットを実用化し、スターリンクを世界規模に成長させた実績も事実です。
市場はSpaceXそのものだけではなく、イーロン・マスク氏の実行力や将来構想、そしてこれまでの成功実績にもプレミアムを与えていると言えるでしょう。
過去の大型IPOはその後どうなったのか
SpaceXの初日を見ると、「今からでも買うべきではないか」と考える人もいるかもしれません。
確かに夢のある企業です。
しかし投資家としては少し冷静になる必要があります。
IPO初日は人気投票の側面が非常に強いからです。
今回のSpaceXは募集株数に対して3倍以上の需要があったとされており、需給面だけでも株価が押し上げられた可能性があります。
実際、過去の大型IPOを振り返ると結果はさまざまです。
ArmやSnowflake、DoorDash、Airbnbなどは好成績を残しました。
一方でUberやAlibaba、Rivianなどは上場後に大きく下落する局面も経験しています。
特にRivianはIPO後1年で大幅な下落となりました。
つまりIPO初日の成功は、その後の投資成果を保証するものではありません。
むしろ1年後以降になって初めて、本当の意味で事業の実力が問われることになります。
さらに今後はロックアップ解除も控えています。
ロックアップとは、上場前から株式を保有していた従業員や初期投資家が一定期間売却できない仕組みです。
この期間が終了すると市場に出回る株数が増え、株価の重しとなることがあります。
そのためSpaceXも今後は人気だけでなく、需給や利益成長といった本質的な評価へと移行していくことになるでしょう。
SpaceXはテスラのように360倍になるのか
長期投資家にとって最も重要なのはここです。
IPO後1年の株価ではなく、5年後、10年後、15年後にどうなっているかです。
テスラはIPO価格から現在まで約360倍という驚異的な成長を遂げました。
しかし、その道のりは決して順調ではありませんでした。
2010年のIPO後には40%超の下落。
2013〜2014年にも30〜40%の調整。
2016年には資金繰り懸念。
2018〜2019年にはモデル3量産問題。
2020年のコロナショック。
そして2021〜2023年の金利上昇局面では70%近い下落も経験しています。
つまり360倍という結果だけを見ると夢がありますが、その途中では何度も投資家が振り落とされていたのです。
SpaceXも同じ道を歩む可能性があります。
今後考えられるリスクとしては、
などが挙げられます。
もしSpaceXが宇宙インフラ企業として世界標準になれば、将来的にさらに巨大な企業へ成長する可能性はあります。
しかし、その過程は一直線ではないでしょう。
だからこそ、投資する場合は大きく下落しても保有し続けられる金額に限定することが重要です。
夢の大きい銘柄ほど値動きも大きくなります。
資産の中心ではなく、あくまでサテライト投資として考えるべきでしょう。
オルカン・NASDAQ100・S&P500にはいつ採用されるのか
個別株を買わない投資家にとっても、SpaceX上場は無関係ではありません。
なぜなら、主要指数に採用されればインデックスファンドを通じて間接的に保有することになるからです。
現時点では、
NASDAQ100は比較的早期に採用される可能性があります。
MSCI ACWI(オルカン)についても条件を満たせば比較的短期間で反映される可能性があります。
一方でS&P500は黒字要件などがあるため、採用まで時間がかかる可能性があります。
インデックス投資はよく「お任せ弁当」に例えられます。
自分で一品ずつ選ぶのではなく、指数というメニューごと購入する投資手法です。
そこにSpaceXという新たな人気銘柄が加われば、自然と保有することになります。
焦って飛びつかなくても、世界を代表する企業になれば指数側が取り込んでくれる可能性があるのです。
まとめ|長期投資家はSpaceXとどう向き合うべきか
SpaceXの上場は間違いなく歴史的な出来事でした。
公開価格135ドルから終値161ドルへ上昇し、時価総額は約2.1兆ドル。上場した瞬間に世界有数の巨大企業となりました。
さらに今後はNASDAQ100やMSCI ACWIなどを通じて、多くの投資家が間接的に保有する可能性があります。
ただし、最も大切なのは熱狂に流されないことです。
SpaceXとの向き合い方としては、大きく3つの選択肢があります。
1つ目は、サテライト枠として少額投資する。
2つ目は、指数採用を待ってインデックス経由で保有する。
3つ目は、あえて買わずに見送る。
どれも正しい選択です。
初日はお祭りです。
1年後は実力テストです。
そして10年後に初めて事業の答え合わせが行われます。
重要なのはSpaceXを買うかどうかではありません。
自分自身の投資方針を崩さないことです。
宇宙というテーマがついに株式市場の中心へやってきました。
この大きな変化を楽しみながら、自分はどの波に乗るのか、そしてどの波には乗らないのか。
それを決めることこそ、長期投資家にとって最も重要なのではないでしょうか。

